アームスフォート(Amersfoort)の自転車走行環境を
Google Street Viewで見学してみました。
※Street View のキャプチャ画像には
緯度・経度を表わす数字を付記しました。
この数字でググると Google Maps 上で撮影地点が特定できます。
横断歩道 (voetgangersoversteekplaats)
車道の中央に交通島が設けられている。
52.15261, 5.368085
横断歩道が有る事をドライバーに意識させる効果、
横断歩道の直近での駐停車や追い越しを抑止する効果、
横断歩行者が確実に左右の安全を確認できるようにする効果
などが期待できますね。
これは別にオランダ特有の物ではありません。
ツール・ド・フランスなどの中継映像で
気が付いた方もいるでしょう。
ただ、この横断歩道では何故かゼブラが引かれていません。
ほっそい点線が申し訳程度に引かれていますが、視認性は非常に低いです。
2018年3月22日追記{
横断歩道はオランダ語でvoetgangersoversteekplaatsと呼ばれ、無信号の横断歩道には大きく分けて2つの種類があります。一つは日本と同じくゼブラのペイント(zebramarkering)で示されたもの(zebrapad)で、横断歩行者に優先通行権があります。もう一つは導流破線(kanalisatiestreep)で縁取られたもので、こちらは車道の車が優先です。利用者にとっての安心感はzebrapadの方が高いものの、実際は事故リスクが高く、幹線道路の交差点ではkanalisatiestreepを用いた方が良いという情報があります。
}
駅の駐車場出入り口付近の横断歩道
52.152645, 5.370362
ここでは交通島に加え、ゼブラとハンプが有ります。
定規の目盛りのような路面標示がハンプの存在を示しています。
これも、ツールの中継で選手が腰を浮かせて通過する光景がお馴染みでしょう。
乗り心地を悪くして車の速度を抑制する狙いの構造です。
ところで、交通島の標識が薙ぎ倒されてますね。
不注意なドライバーが乗り上げてしまったのでしょうか。
横断歩道の手前で車線が分離する構造
52.152646, 5.371016
片側だけですが、交通島の手前で車線がカーブしています。
両側ともカーブしていれば速度抑制効果が両車線で
均等に発揮できたようにも思います。
駅前の横断歩道
52.152882, 5.374474
歩行者と自転車の両方に横断場所が提供される場合、
このような横並びの構造になります。
自転車道は自転車道、歩道は歩道と、区別が徹底していますね。
画面奥では、自転車道の上にもゼブラが引かれています。
自転車を歩行者と同一視しがちな日本には良い参考になるでしょう。
この写真で注目すべきは、画面右端の車道部分です。
横断歩道の直近で縁石がせり出してきて、車道の幅員を狭めています。
この構造により、横断歩道の直近での路上駐車を防いでいます。
また、歩行者の横断距離を短くする効果も有りますね。
同様の事例は香港の九龍でも見掛けました。
九龍、Parkes Street
22.305123, 114.1706
22.305123, 114.1706
うーむ、図らずも地球上で最も整然とした都市と
最も雑然とした都市の比較になってしまった。
ですが、どちらも道路構造は非常に良く練られています。
さすがはイギリス仕込み。香港も中々やります。
これらの事例と比べると、日本の道路は清潔さだけが取り柄で、
安全面では依然、お粗末なレベルである事が分かります。
(まあ、元々日本の道路技術は
如何に円滑な交通を実現するかを至上命題としてきたので、
安全面がおざなりになっているのは当然なんですが。)
歩行者用信号機(カウントダウン表示付き)
これはアムステルダム中央駅の駅前で2010年に撮影したものです。
下段は青信号に変わるまでの秒数をカウントダウンで表示しています。
日本でも最近は歩行者用信号に目盛りが減って行くタイプの
待ち時間表示機能が付いていますが、これは待ち時間全体に対する
割合を表示するだけの相対表示なので、目盛り1つ分が
何秒に対応するかは場所によって全然違います。
信号サイクル長が長い交差点では、残り1目盛りになってからも
意外と待たされる事も有り、イライラさせられます。
Windows のインストール画面とかで現われる、
あのフェイント進捗率バーと同じくらい不愉快ですね。
待たされる身としては「残り何秒」と数字で
分かる方がストレスが少ないです。
自転車用信号機もカウントダウン機能付き
(信号機が向こう岸ではなく手前に建っている事に注意)
(信号機が向こう岸ではなく手前に建っている事に注意)
ただ、日本の歩行者用信号は、車道の幅員がかなり広い道路でも
対岸の歩道上に設置するので、道路によっては
信号機が遠すぎて数字が読めない場合も出て来るでしょう。
オランダ方式を真似るなら、信号機の建植位置と高さも
同時に見直す必要が有ると思います。
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