2014年10月21日火曜日

マンションの駐輪場不足問題

新聞にマンションのチラシが挟まっていたので久々にじっくり読んだら
駐輪場の収容台数が総戸数の1.3倍しかないのに気付きました。

(疋田さんのラジオ番組、ミラクル・サイクル・ライフの
2014年3月16日放送回でこの問題が取り上げられていたので
意識を向けるようになっていました。)

マンション広告

手元に有った他の広告でも1.9台/戸や1.7台/戸など、2台未満。
充分な駐輪場の供給も CSR の一つと考えられますが、
開発会社はそうは捉えていないようです。



マンションの駐輪場不足が問題になったのはいつ頃からでしょうか。
Googleでちょこっと調べてみました。

ただ、最近の Google は IP アドレスから勝手に接続点を特定して
検索対象を市町村レベルで絞り込み、検索結果をアレンジしてしまうので、
調査目的では使いにくいですね。これを回避する為に
検索ツールの「現在地」に「日本」と入力しています。

また、Google の表示言語がいつの間にか英語に変わっていたりするんですが、
これがまた日本語の場合と検索結果が変わっちゃうので、
その場合は「日本語」に設定し直しています。


検索結果を期間で絞り込み

さて、調べ方ですが、1995年から2013年までを1年ずつ区切り、
「マンション "駐輪場" 足りない」で検索しました。

(駐輪場を " " 囲みにしたのは曖昧検索による「駐車場」のヒットを防ぐ為です。
「足りない」は「たりない」や「不足」も引っ掛かるように " " 囲みしていません。)

検索結果の1ページ目に表示されたページ(最大10件)の内、
マンションの駐輪場不足に言及しているページが
何件有ったかをグラフにまとめました。
(各ページを開いて内容を確認しています。)


2000年以前からマンションの駐輪場問題は有ったと思うんですが、
インターネットの検索結果を見る限り、初出は2001年。
検索結果の1ページ目で5件を超えるのは2005年からですね。

この2005年を起点と考えたとしても既に10年近く経過してますが、
開発会社は依然として駐輪場をおざなりにしています。

駐輪場を切り詰めても入居者は他に選択肢が無いとかで
淘汰作用が働かないんでしょう。
これが市場原理の限界って奴か。介入が必要だな。


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ちなみに検索結果のページには
こんなトラブル事例が書かれていました。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2010/1113/363526.htm?o=0
隣のマンションの駐輪場が世帯数に対して少なく、
自分が住んでいるマンションの駐輪場に勝手に停められて溢れている。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2010/0304/299083.htm?o=0
駅の近くのマンションに住んでいるが、駅の駐輪場が少なく、
マンションの居住者証明用の駐輪ステッカーを
横流ししてほしいと友人に泣きつかれた。

http://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/50921/
2段ラックの下段に入れた自転車の後ろカゴが閊えて
上段のラックを降ろせない。

http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa6735252.html
収容台数を増やそうと2段式にしたら使い勝手が悪くて
予算の無駄遣いだと非難された。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2011/0617/418444.htm?o=0
子供の自転車が必要になったら親の自転車を
折り畳みに切り替えてベランダに置く予定。

http://www.sutekicookan.com/%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%81%AE%E6%89%80%E6%9C%89%E5%8F%B0%E6%95%B0
共用廊下を自転車で走る大人がいる(当然その子供も)。
ブレーキを掛けるエレベーター前の床はブレーキ痕だらけ。

http://www53.atwiki.jp/senzoku3m/pages/11.html
台東区の条例では集合住宅の駐輪場設置を義務付けているが、
収容台数は総戸数と同数以上(平成17年以前は半数以上)しか求めていない。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13116615193
友人のマンションに遊びに行って来客用駐輪場に自転車を停めたが、
管理人に無断駐輪だと言われて1万円を請求された。


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市場原理だけでは上手く行かず、規制が必要だと私が思うのは、
海外にも同様の失敗事例が有るからです。

オランダでは2003年、建築基準法から自転車保管場所の
設置義務が撤廃されましたが、デベロッパーがすぐさま
駐輪スペースを省略するようになってしまったので、
この条項は2012年に復活させられました。

http://bicycledutch.wordpress.com/2013/07/11/parking-your-bike-at-home/
From 2003 the regulations were lifted from the building regulations. Developers claimed they – and the market – could decide what was best and wanted. But immediately you saw developers cut costs by striking the bicycle parking facility from especially their apartment buildings.

// 中略

Already in 2008 the minister agreed that the bicycle storage requirements had to get back in the regulations and they were indeed finally re-instated from early 2012.



2014年10月26日追記
正確には自転車「も」保管できる広さの倉庫の設置義務ですね。


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この前の都知事選の時、立候補者に自転車政策を求める
キャンペーンが行なわれましたが、駐輪場に関しては
街中(つまりは目的地)の整備しか求めていませんでした。

しかし上のような現状を見ると、
マンション(出発地)の駐輪場整備も
行政の強力な主導が必要な課題のようです。

次のキャンペーンの時はこの政策要望も入ると良いですね。


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2014年10月21日追記

そういえば高度経済成長期に建てられた団地(公団住宅)って
何気に駐輪場がしっかり整備してありましたよね。

板橋区立蓮根図書館

団地の駐輪場(図書館利用者向け区画)

板橋区立西台図書館

団地の駐輪場

ラックは無いものの収容台数は余裕が大きい。
この日は風が強かったので自転車が倒れていた(画面左)。

殊、駐輪場に関しては現代の分譲マンションは
公団住宅より退化しているように思えます。