2014年9月15日月曜日

日本の4世代先を行くオランダのラウンダバウト設計

2016年2月20日 文章の修正と大幅な加筆
2016年2月22日 資料をさらに追加

休日の昼下がり、ラウンダバウトの中央でかけっこする家族
(日本・長野県)



上の写真は長野県須坂市に新設されたラウンダバウトで、須高ケーブルテレビのライブカメラ映像に映った一場面です。

微笑ましいですねー (*´ー`*)

この家族が走っている所はエプロンと呼ばれる部分で、大型車が環道を回る時に車体の一部が乗り上げるスペースです。

須坂市(2014)「野辺町ラウンドアバウト開通式パンフレット」(p. 4)より

実は結構危ない場所なのでした。



第1, 第2世代のラウンダバウト

それはさておき、このラウンダバウトには自転車の通行位置が矢羽根状の青いナビラインで明示されているという特徴が有ります。市のページを見ると、自転車には環道の外周に沿って走るように指示しています。


現在、日本国内のラウンダバウト設計指針(インターネットで入手できるもの)には、
(社)交通工学研究会(2009年)
ラウンドアバウトの計画・設計ガイド(案) Ver. 1.1
が有りますが、この資料は
「歩行者・自転車の取り扱いには注意が必要」
(p. 11, pdf p. 12)
と言いつつ、自転車の通行空間については何の設計指針も示していません。実質的には車と歩行者しか考慮してませんね。

2016年2月20日追記{
この構造でも、環道内の車の実勢速度が15km/h程度なら特に問題ないでしょうが、それ以上の水準となると、自転車利用者の歩道通行率は徐々に上がっていくでしょう。


(社)交通工学研究会が提示するラウンダバウトのモデル
(交通工学研究会、2009、p. 4 (pdf p. 5) より)

(むべなるかな、このガイドが参考にしているのはドイツ、オーストラリア、アメリカ、イギリスの文献です。オランダの設計ノウハウは何一つ吸収していません。)

仮にこのガイドラインが示す形態を第1世代とするなら、簡易的とはいえ自転車の通行位置を明示した須坂市の野辺町ラウンドアバウトは第2世代と言えるでしょう。

環道の外縁部に自転車の通行空間をペイントしたこの構造はオランダでも見られます。

「あしたのプラットホーム」というブログの記事(2014年8月13日)で紹介されていたラウンダバウトを例に引きます。

北ホラント州フェルスンのラウンダバウト
(Google Maps @ 52.4385714,4.642619 の航空写真を加工)

ちょうど大型トラックが環道を通過中です。(オランダは右側通行なのでラウンダバウト内は反時計回り。)車体後部がエプロンに乗り上げているのが見て取れます。

上の写真を見やすく着色しました。
(黒が車道の走行空間、赤が自転車道)

ところが、実はこの構造は自転車の事故率が相対的に高い事が分かっています。

Ir. A. Dijkstra. (2005)
Rotondes met vrijliggende fietspaden ook veilig voor fietsers?
SWOV

2014年9月20日追記{
SWOV は Stichting Wetenschappelijk Onderzoek Verkeersveiligheid (the Institute for Road Safety Research) の略称です。


ラウンダバウト1カ所1年間当たりの、自転車走行空間の形態ごとの
自転車、モペッドスクーターの死傷者数
(Dijkstra (2005) p. 12 (pdf p.14) の図に日本語表記を追加)

何故でしょうか? この資料には事故が起きやすい理由までは書かれていません。ただ、ドライバーになったつもりで Street View を見ると、確かにサイクリストを見落としやすそうな構造ではあります。

上に挙げたフェルスンのラウンダバウトの手前
(Street View @ 52.438454, 4.641982 を加工)

横断歩道はクリアに見通せる事が分かります。この段階ではまだラウンダバウト内の車に注意を払う必要が無いので、ドライバーは注意力のリソースを歩行者の動静に集中させる事ができます。


横断歩道を通り過ぎた所
(Street View @ 52.438478, 4.6422392 を加工)

横断歩道から環道までには車一台が収まるスペースが有ります。環道内を既に走っている車や自転車がいる場合、流入しようとする車はここで待機します。


ドライバーが注視する範囲(想像)と、そこから外れるサイクリスト
(上と同じ Street View を加工)

環道の入り口に差し掛かった車のドライバーは、他の車にはすぐ気付くでしょう。
  • 対象が大きいですし、
  • 万一ぶつかれば自分の身にも危険が及ぶので、
意識的に視線を向けると考えられます。しかし、自転車(ピンク色で描写)は
  • 車体が小さく、
  • 万一ぶつかってもドライバーは無傷で済むので、
視覚的にも意識的にも見落としやすいのではないでしょうか。その間接的な証拠になるかもしれないのが次の動画です。



【視聴注意】オーストラリアのラウンダバウトで起こった衝突事故

サイクリストは蛍光色のジャケットを着ていますが事故が起こってしまいました。もちろんこの動画だけではドライバーの見落としが原因とは断定できません。

2014年9月17日 文を修正

また、オーストラリアのドライバーは、普段は車にしか乗らないという人が多いでしょうから、車にも自転車にもよく乗っているオランダのドライバーとは視線の配り方、注意の向け方が違うはずです。


ラウンダバウトの出口
車は右後ろから鋭角に接近してくる自転車(水色)に気付きにくいはず
(Street View @ 52.438669, 4.642773 を加工)

ラウンダバウトから出る車は、入る時とは違って他の車にそれほど注意する必要が有りません。(環道内を走る車に優先通行権が与えられているので。)となれば、ついつい出口の先の横断歩道に注意を向けてしまい、右手前の自転車レーンへの注意配分が疎かになるのかもしれません。

或いは、車道と自転車レーンの位置関係の所為で、ドライバーからは自転車が死角に入ってしまうのかもしれません。これについて CROW は、

CROW. (2007). Design manual for bicycle traffic. p. 201
Drivers of lorries turning off in particular have too restricted a view of cyclists and moped riders riding alongside them because of their blind spot.

ラウンダバウトから出ようとしている大型トラックのドライバーは特に、並走する自転車やモペッドの乗り手を視界に入れるのが非常に難しい。自転車やモペッドが死角に入ってしまうからだ。
と指摘しています。

2014年9月17日追記

普通の十字交差点で左折車(日本の場合)が直進自転車を巻き込んでしまうのと似た構図ですね。ドイツ・デュッセルドルフ市の公式サイトに掲載されているラウンダバウトの通行方法の図からそれが窺えます。

Radfahren im Kreisverkehr

上の図の出典と同じページの説明文
Linkes Bild:
Der Radfahrer befindet sich nicht unmittelbar im Bewusstsein des Autofahrers. Es kann zum dargestellten Konflikt kommen.

左図:
サイクリストがドライバーの注意範囲から外れている。これは図示したような衝突を招く恐れが有る。

Rechtes Bild:
Der Radfahrer fährt mittig auf der Kreisfahrbahn. Dieses Verhalten ist für den Autofahrer eindeutig und berechenbar. Das Überholen des Radfahrers im Kreisverkehr ist nicht möglich.

右図:
サイクリストが環道の車線中央を走っている。この走り方はドライバーから見て発見しやすく、動きも予測しやすい。ラウンダバウト内ではサイクリストを追い越す事はできない。



2016年2月22日追記

この危険性については以下の論文でも言及されています。

吉岡 慶祐・小林 寛・山本 彰・橋本雄太・米山 喜之(2013)「ラウンドアバウトに関する設計基準の海外比較と我が国での幾何構造基礎検討」『土木計画学研究・講演集』Vol.47 CD-ROM
※リンク先のPDFは土木学会ではなく国交省の国土技術政策総合研究所のサイトに掲載されているもの。

pdf p. 5
f) 自転車への対応
ラウンドアバウトにおける自転車の扱いは、各国でも課題となっているのが現状である。韓国を除き、各国とも車両と同様に通行させるのが一般的となっているが、交通量や走行速度に応じて、環道部とは分離された自転車通行帯を設けるケースもある。自転車の通行位置に関して、ドイツ・アメリカ・イギリスでは流出車両との巻き込み事故の危険性があるため、環道部の外端を走行させないよう、環道内に特別な路面標示等は行わないほうが良いとしている。(自動車と自転車は一列通行を推奨)一方オーストラリアでは、交通状況に応じて、環道部の外端に自転車の通行位置を示す路面標示やカラー舗装などの設置を基準の中で記述している。韓国では、ラウンドアバウトでの自動車と自転車の通行位置は分離することを原則としており、流出入部では、横断歩道とあわせて自転車の横断帯も設けることが基本となっている。
この論文は海外の知見を参考に日本国内の設計基準の策定を試みるものですが、参照しているのはドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、オーストラリア、韓国の設計基準のみで、自転車に関してはさも未解決の設計課題であるかのように述べています。しかし、

CROW. (1998). "Eenheid in rotondes"
ラウンダバウトの設置、設計の指針。交通容量の計算方法と、安全確保の為の設計上の判断基準を示している。現在は紙媒体が絶版で、電子版の道路設計総合ナレッジ・モジュール(市街地編郊外編)に移行している。

CROW. (2002). "Fietsoversteken op rotondes"
ラウンダバウトの自転車横断帯の適切な設計方法に特化した内容。上の"Eenheid in rotondes"の補遺。

CROW. (2008). "Turborotondes"
車の交通容量を確保する為に環道内を多車線にした、所謂ターボ・ラウンダバウトについて、設計や付帯設備などを解説。ターボ・ラウンダバウトが本当に適切な解決策なのかどうかの判断を助ける。付録CD-ROMには多数の基本的な設計例を収録。

CROW. (2015). "Basiskenmerken kruispunten en rotondes"
交差点やラウンダバウトが最低限満たすべき基準を記載。道路利用者にとって把握しやすく、安全に通行できる構造を議論している。

……オランダの知見を完全に見落としています。



具体的な事故発生のメカニズムはさておき、少なくとも統計上は、単にペイントしただけの自転車レーンよりも車道から構造的に分離された通行空間を用意した方が、自転車にとって遥かに安全なラウンダバウトになる事が分かっています。

Dijkstra (2005) p. 12 (pdf p.14)
Om die reden raadt Van Minnen (1995) de toepassing van stroken af.

この理由から、ファン・ミネン(1995)は自転車レーンの設置は避けた方が良いとしている。
この知見は CROW (2007) にも既に反映されています。

p. 201
Cycle lanes are not recommended on roundabouts.



第3世代のラウンダバウト

さて、その構造分離型の自転車通行空間ですが、上に挙げたフェルスンのラウンダバウトがちょうどその新しい構造に改修する所でした。なんという好タイミング!

改修後の平面図
(フェルスン市の意見公募ページに載っている資料の図面を加工)

図面が載っているファイル
inspraaktekening_rotonde_Hagelingerweg-Santpoortse_Dreef.pdf
690 kB 29-04-2014

自転車道の輪っかを車道から分離し、横断歩道の所まで後退させています。ドライバーが車と自転車を別々のタイミングで確認できる設計ですね。これが謂わば第3世代のラウンダバウト構造です。(本当にこの順番で考案されたのかどうかは分からないので、「世代」という言い方は適切ではありませんが。)

フェルスン市の資料ではもちろん、改修の目的を「自転車の安全向上」と説明しています。

説明文が載っているファイル
Inspraakdocument_rotonde_Hagelingerweg-Santpoortse_Dreef.pdf
326 kB 29-04-2014

p. 1 (pdf p.3)
De rotonde Hagelingerweg – Santpoortse Dreef wordt in 2014 heringericht. De herinrichting heeft een tweeledig doel. In de eerste plaats gaat het er om de verkeersveiligheid voor fietsers te verbeteren, in de tweede plaats om de doorstroming van het openbaar vervoer te bevorderen.

ハーハリンガ通りとサントポーツェ通りが交わるラウンダバウトを2014年に改修する予定です。改修には二つの目的が有ります。まず第一に、自転車にとっての道路の安全性を向上させる事、そして第二に、公共交通〔バス〕の流れを円滑にする事です。

De voornaamste aanpassing is het aanleggen van een vrijliggend fietspad. In de afgelopen jaren hebben op de rotonde meerdere aanrijdingen plaatsgevonden. In de meeste gevallen betrof het een incident met oprijdend fietsverkeer uit de richting van Velserbroek. Met het aanleggen van een vrijliggend fietspad wordt dit probleem verkleind. Bovendien wordt hiermee aangesloten bij de huidige landelijke richtlijnen.

主な変更点は構造的に分離された自転車道の設置です。近年このラウンダバウトでは複数の衝突事故が起こっています。多くの場合、フェルサブルック方面から走って来た自転車が事故に巻き込まれています。構造的に分離された自転車道を設置する事で、この問題の改善が見込まれます。さらに、国に拠る〔道路設計の〕現行基準を満たす事にもなります。
お役所の文書なのに読みやすい!


2016年2月20日追記{
なお、上の例ではラウンダバウトに至るまでの単路区間にも自転車道(車道から構造的に分離された自転車レーン)が整備されていますが、

写真出典: BICYCLE DUTCH(2014年12月11日)Transitions from one type of infra to the other

セルトーフンボスのこのラウンダバウトの左手に延びる道路のように、単路区間では車と自転車を混在通行させ、ラウンダバウトの手前だけ両者の通行空間を分離するという選択肢も有ります。車の実勢速度・交通量が低水準な路線(生活道路)に適した形態と考えられます。


アームスフォートのこのラウンダバウトでも、環道を取り巻く自転車道が……
(2015年7月撮影のStreet View画像のコントラストを調整)

……自転車レーンに切り替わり、ラウンダバウトの先で途切れている。
画面手前はゾーン30で、車と自転車の通行空間を分離する必要が無い。
(2015年7月撮影のStreet View画像のコントラストを調整)


対照的に、イギリスのケンブリッジで2014年に改修されたラウンダバウトには(道路用地には余裕が有ったにも関わらず)自転車道が設置されませんでした。設計を担当したAlasdair Massie氏は、ラウンダバウト改良に当たってオランダの設計指針を参考にしつつも、そのラウンダバウトに接続する道路に自転車道が無いという理由で、環道の外側に自転車道を設置する構造を採用しなかった事を明らかにしています。

参考記事
As Easy As Riding A Bike(2014年10月17日)The Perne Road roundabout design




第4世代のラウンダバウト

さて、フェルスンはこの構造で満足しているわけですが、オランダには更に改良を加えたラウンダバウト構造が存在します。これが第4世代のラウンダバウトです。

Google Maps @ 52.9994464,6.550639 を加工

上の写真を分かりやすいように着色
(黒が車道の走行空間、赤が自転車道)

これはドレンテ州アセンのラウンダバウトです。車のラウンダバウトを取り囲む自転車道が円環状になっていません。このお陰で車と自転車の動線の交差角度が90度になり、相互に認識しやすくなっています。

また、自転車道と車道が交差する部分では、自転車の側に「譲れ」の三角マークが描かれています。「車が来たら自転車が待って車を先に通せ」という意味です。

オランダでは市街地のラウンダバウトでは自転車に、郊外のラウンダバウトでは車に優先通行権を与えるよう、CROW (2007, p. 202) で推奨されていますが、アセンは敢えてこの指針に背き、車に優先通行権を与えています。

これは一見、自転車に不便を強いているように感じられますが、オランダに暮らす David Hembrow さんは、現実には自転車が待たされる事は殆ど無く、代わりに大きな安全性を手に入れられる事を自身のブログで説明しています。



SWOV のレポートも、これと同じ見方を示しています。

p. 4
Fortuijn (2005b) concludes that the number of injury crashes on roundabouts with priority for cyclists was more than twice the number on roundabouts where they have no priority. CROW's recommendation to give cyclists priority on roundabouts has got nothing to do with safety, but is motivated by mobility reasons in favour of the bicycle.
p. 5
CROW recommends priority for cyclists on urban roundabouts, but no priority on rural roundabouts. However, from a road safety perspective cyclists should have no priority on urban roundabouts either.

どのラウンダバウトで事故が多いかは自分で調べる事もできます。オランダ全土の交通事故発生地点と件数、被害の程度を地図上で見られるサイトが有ります。

(事故データのソースは、オランダのインフラ・環境省の下部組織で、道路と運河の管理を担っている Rijkswaterstaat

2016年2月20日追記{
別の資料では、上に挙げたフェルスンとアセンのような違いは、市街地と郊外の交通ルールの違いを明確にする為のものであると説明されています。



この解説に依るならば、両者の構造の違いは世代差ではなく、そのラウンダバウトの設置地域(市街地か郊外か)に因る差です。


2016年1月7日追記{
SchiedamのNieuwe DamlaanとBurgemeester van Haarenlaanの交差点にある、環道内を多車線にしたターボ・ラウンダバウトでも、この形態が試されています。安全性・利便性についての評価はまだ定まっていません。

Google Mapsの空撮画像のコントラストを調整し、赤色を強調)

2016年2月20日追記{
歩行者・自転車に与えられた優先通行権をドライバーに確実に守らせる為に、多重の安全策を導入しているラウンダバウトも有ります。


ターボ・ラウンダバウトの一変種であるこの骨型ターボ・ラウンダバウト(turbokluifrotonde, 参考URL)では、歩行者・自転車の横断帯部分に、
  • 横断歩道の標識
  • 「ゆずれ」の標識
  • ゼブラペイント
  • 路面にLEDを埋め込み
  • 横断帯部分のスピードテーブル化(参考URL
  • 1車線ごとに間を空けて歩行者・自転車の待避空間(refuge island)を確保
など、考えうる限りの安全策を施しています。事故防止を道路利用者のモラルや注意力に頼るのではなく、道路の構造によって交通ルール遵守を促したり、認知エラーに対して冗長性を持たせている事が分かります。


しかし、これで最後では有りません。



第5世代のラウンダバウト

衝突事故を無くす究極の手は、車と自転車の平面交差を完全に無くした立体ラウンダバウトです。(尤もこれは車の交通量が多い場合に使うものなので、「第n世代」と呼ぶのもどうかと思いますが。)

立体交差のパターンには、自転車道(と歩道)を
  • 車道の地下に潜らせるトンネル方式と
  • 車道の上に架ける橋方式
が有ります。


2016年2月20日 文章表現を変更{
自転車道を上に通す橋方式では、車の建築限界に合わせて自転車道を高く持ち上げなければなりませんが、下を通すトンネル方式なら、自転車の低い建築限界の分だけ高低差を確保できれば良く、自転車利用者にとってアプローチ部の登り坂の負担が少なくて済むので、CROW (2007) は後者を推奨しています。ただ、建築物として華が有るのは断然、橋ですね。


以前このブログでも取り上げましたが、アイントホーヴンのラウンダバウトは自転車の空中回廊として世界的に注目されています。



人はあまりに美しいものを見たとき、こみ上げる笑いで思わず吹く——そんな反応が有り得る事を初めて知りました。



まとめ

第1世代
自転車専用の通行空間なし(日本は今ここ)

第2世代
自転車レーンを環道の外縁に配置

第3世代
車道から分離した自転車道を円環状に配置

第4世代
自転車道の線形を改良・優先通行権は車に

第5世代
自転車道と車道を上下分離
(写真の出典はドイツの自転車コミュニティーサイト


2016年2月20日追記{
日本国内でこれまで整備されてきたラウンダバウトでは、自転車通行空間を設ける場合、環道の外縁部に自転車ナビラインをペイントする形態が事実上の標準になっています。この記事で紹介した海外の知見は活かされていません。

長野県軽井沢町の六本辻ラウンダバウト(2012年11月に社会実験開始)

長野県須坂市の野辺町(のべまち)交差点(2014年9月1日に運用開始)

長野県安曇野市の本村 円(ほんむら まどか)交差点(2015年4月15日に供用開始)

沖縄県糸満市の糸満ロータリー(2015年10月にラウンダバウトとしての運用実験開始)

新潟県田上町の田上あじさい交差点(2016年2月19日に供用開始)