自転車レーンの整備についての質問に、
実現可能性を否定するニュアンスでこう答えました。
ヨーロッパの車道と違って狭いのです。
広いですけど?
写真は新宿区の【角筈区民センター前】交差点から
【西参道口】交差点方面を写したものです。割と都庁のお膝元です。
都知事はどの道路のどの区間を念頭に置いて
「狭い」発言をしたんでしょうね。
走行空間として実質的に機能している部分は意外と狭いんですよね。
こういう構造の道路では時々、
他の車を左から追い越してやろうと第1通行帯を爆走する車がいますが、
それはドライバーが悪いのではなく、道路の構造が悪いんです。
第1通行帯(左端のレーン)は、
- 第2通行帯よりも歩行者の飛び出しを回避する余裕が乏しく、
- 路上駐車の横スレスレを通過しなければならない。
で、ガラ空きになった所をハイリスク・ドライバーが走り抜ける。
そして車道の端を走る自転車が危険に曝される……。
だったら最初から片側1車線にしといた方が安全ですね。
というわけで……
こんなんどうすか?
単路区間のポイント
- 構造的に分離された自転車レーン
- 車道は走行空間と駐車空間を明確に区別
- 駐車空間は或る程度の間隔で区切る
(区切らないと駐車空間を走り抜ける車が出る)
交差点手前のポイント
- 交差点入り口の車線数は3本から2本に削減する
(歩車分離信号にして左折車が詰まらないようにする) - 自転車レーンは最後まで構造的な分離を維持する
(車線数を維持したまま交差点手前で自転車と車を混合させる手も有るが、
それだと自転車利用者の体感的な安全評価がガタ落ちする。
また、現実には左折車と自転車が一列になって
通行する事は無い(*)ので、左折巻き込みのリスクも高い。)
バス停周辺(奥の方)のポイント
- バス停は大きく張り出し、乗降中は後続車を抜かせない
(こうする事でバスを便利に、マイカーを不便にできる) - 自転車の走行空間は連続させ、停車中のバスを抜けるようにする
(都市交通としての自転車の優位性を最大限に高める)
上の図の手落ちな部分
- 細街路との交差部分を無視している
- 交差点内の構造を描いていない
- 路面のピクトグラムのパースが合ってない
過去の関連記事
山中英生の自転車インフラ整備戦略 (2)
*「現実には左折車と自転車が一列になって通行する事は無い」
という点について図を使って説明しています。
長い記事の途中に書いてあるので探すのが面倒ですが、
「伊勢丹」でページ内検索すると一発で該当部分に飛べます。
シリーズ一覧
- 実は広い東京の道路
- 実は広い東京の道路 (2)