高架道路でも何でもない、一見すると普通の自転車レーンだが、
20km/hで走行すると青信号が連続するように制御を工夫しているそうだ。
なるほど、そういう手も有ったかと感心したが、
20km/hでは全然速くないのでは?
ところが実際はそうでもない。
車道を走行する自転車は平地でも40km/h弱、
下り坂では50km/hを超える速度が出せるが、
それでも信号待ちの間は0km/hになる。
以前、自転車に車載カメラを取り付け、
東京都心部を走行した映像を分析した事が有るが、
30分間の移動時間中、10分間は信号待ちに費やされていた。
信号待ちも含めた平均旅行速度を計算すると毎回17km/h前後で、
如何に信号待ちのロスが大きいかが分かる。
20km/hであっても一定の速度で走り続けられるなら
コペンハーゲンの方が旅行速度が高いし、
最高速度が低く、加減速も少なくて済むので疲れない。
スピードそのものを求める向き(筆者とか)には物足りないだろうが、
都市交通の一手段としては非常に魅力的だ。
本文終わり。以下、脱線。
ところで日本は車道から歩行者(*1)や自転車(*2)を排除する事で
車道の制限速度を引き上げる(*3)傾向が有る様に思える。
*1 歩道橋やペデストリアン・デッキの整備と、
歩行者の横断を前提としない交差点の設計。
*2 東京都は原則として自転車レーンを歩道上に整備する方針を示している。
*3 これってほとんど「地上の高速道路」だよね? マレーシアでそういうの見た。
当然、信号制御も高い速度に合わせて調整してるんだろうけど(*4)、
車と同じ道路を通行する自転車はどうなるんだろうね。
信号が車を通して自転車を止めるバンドパスフィルターになってないかな?(*5)
車から自転車へのモーダルシフトを目指すなら、
自転車が不利になるような条件はまずいと思う。
*4 信号制御で車の流れが円滑になれば排気ガスが減る(*6)という主張が有る。
それはごもっとも。ただそれなら制限速度をもっと低く設定して(*7)、
自転車の流れがフィルターアウトされないように制御できる筈。
*5 車道を走っていると目の前の信号を車だけが通過できて
自転車は毎回足止め、というのは良く有るパターン。歩道を走る場合も然り。
*6 車のエンジン効率が50km/hで最大になるからという主張も有るが、
これは一定速度で走り続ける場合。信号での停止・発進は考慮されていない。
当然、0km/hから50km/hに加速するのに要するエネルギーは、
例えば30km/hまで加速する場合より大きい。
*7 車の性能も、道路の舗装水準も、昔より遥かに良くなったんだから
制限速度もそれに合わせろって? 運転するヒトの情報処理速度は
二足歩行を始めた時代から大して変わってないでしょ?
ヒト以外の要素が過剰スペックなだけとも言える。