2018年1月30日火曜日

道路の利用実態を無視した御茶ノ水駅前の自転車ナビマークと改善イメージ

現場の交通実態を無視して設置され、上手く機能していない自転車ナビマークがJR御茶ノ水駅の南側にあります。問題点と改善イメージをまとめました。




駅の南側を線路と並行に走る商店街通り

東向きの一方通行で、左右の白線の外側に自転車ナビマークが設置されています。車と逆方向になる側はまだ良いんですが、順方向のナビマークは大抵 路上駐車で塞がっていて、ほとんど役に立っていません。

荷捌きなどで絶え間なく路上駐車が発生する環境であるにも関わらず、車道の白線の引き方が、その現実に向き合おうとしていないことが根本的な問題です。私なら次のように修正します。


この道路に求められる機能に応じて素直に設計したらこうなるでしょ?

設計のポイントは次の通り:
  • 駐車に必要な空間をきちんと確保し、駐車場所を明確化する
  • 同じ空間に駐車機能と自転車通行機能を重複割り当てしない
  • 駐車車両のドアゾーンに自転車が入らないように、ナビマークは駐車枠から1メートル離す(ドア衝突事故をデザインで防止する)
  • 横断歩道とその前後は物理的に駐車できないようにする
  • 横断歩道の箇所で歩道を張り出し、歩行者の横断距離を最小化する



逆方向の自転車通行空間の路面を着色することも考えられますが、この空間の幅は自転車レーンとしての最低基準を満たしていないので、あまり自転車レーンに類似した外観にするとドライバーや自転車利用者が誤った安心感を抱いてしまい、漫然運転に繋がる可能性もあります。区分線すら無くしてしまった方が良いかもしれません。

それから駐車枠の配置ですが、できればイメージ図とは逆に、向かって右側に配置した方が良いです。そうすれば、車と逆行する自転車の通行空間が駐車枠側に来ることになり、ドア衝突のリスクが下がるからです(ドライバーとサイクリストが対面するので見落としにくい)。

また、写真の手前の場所は向かって右に枝がある丁字路なのですが、駐車枠と共に歩道の張り出しも右側に配置しないと大型車が交差点を曲がれないかもしれません。


2018年1月31日追記{


もう一案作ってみました:
  • 駐車枠の横、ドア衝突事故のリスクがある領域をゼブラペイント
  • 順方向の自転車ピクトグラムは省略
  • 横断歩道部分での歩道の張り出しは省略
  • 横断歩道の直近にフレックスポストを設置

駐車枠横のゼブラ設置と順方向の自転車ピクトグラム省略は二つでセットです。ドア衝突事故を防ぐためにはどちらか片方で充分だろうという予想。

歩道の張り出しは、多分それほど重要ではありません。この路線は車の交通量が少なく速度も低いので、歩行者は横断歩道に限らずどこでも割と気軽に車道を横切っています。

フレックスポストは、路上駐車の有無にかかわらず、画面右手の道から右折してきた車がこの丁字路を大きな半径で曲がれないようにして、強制的に速度を抑えさせる効果があります。




似たようなダメ事例が港区にも


港区の小倉りえこ区議会議員が、同区の狭い一方通行の商店街通りに突如設置された自転車ナビマーク、ナビラインが現地の交通実態に合っていないと指摘しています。

rieko_ogura (2016) ‘自転車ちりんちりん’, Activity Log -小倉りえこの行動記録です-, 11 December. Available at: http://ogura-rieko.com/blog/?p=2320 (Accessed: 9 January 2018).


ナビマークが設置された麻布の商店街

こちらの商店街通りは見た感じ、御茶ノ水よりさらに0.5メートルほど車道が狭いように見えます。

その続報では、
  • 自転車ナビマークの設置主体が区ではなく警察であること
  • 警察と区のインフラ整備計画の間にすり合わせがないこと
  • 警察が特に考えもなく、単なるノルマ消化で機械的にナビマークを設置していたこと
を取材から明らかにしていました。

rieko_ogura (2018) ‘自転車ちりんちりんちりん’, Activity Log -小倉りえこの行動記録です-, 8 January. Available at: http://ogura-rieko.com/blog/?p=3795 (Accessed: 9 January 2018).


「船頭多くして船山に登る」を地で行く混乱ぶりです。警察には、インフラ整備から手を引いて取り締まりに専念して欲しいですね。


2018年1月31日追記{

他にも道路の利用実態を考慮していないようなナビマークの設置例があることを教えていただきました。



一方、盛岡では自転車ナビラインの設置によって交通参加者の挙動が改善した成功事例があるそうです。