2018年1月25日木曜日

iPhoneでの筋トレ記録——サードパーティーの専門アプリより純正の汎用アプリが便利

iPhoneで筋トレの記録を付けたいとき、専用のトレーニング・アプリでは融通が利かなかったり、ログを書き出せなかったりして、いまいち便利ではありません。

Apple純正のアプリを工夫して使うと、多少面倒ではありますが、データを柔軟に、かつ利用しやすい形で記録できます。使うのは表計算ソフトのNumbersと、iPhoneに最初から入っているClockです。

(この記事はHow toの体裁を取っていますが、トレーニング・アプリへの個人的な要望をまとめた機能リクエスト集でもあります。)


動作反復系トレーニングの記録


wide push-upsの記録画面

一つのシートには一つのトレーニング種目のみを記録しています(種目名をシート名にする)。こうすると表をシンプルにできますし、種目名を毎回入力しなくて済みます。

表は縦軸がトレーニング日、横軸が各セットで実際にできた筋トレ動作の回数(reps)です。

トレーニング日の入力は、画面右下の稲妻マークが付いたCellボタンを押して、INSERTからToday's DateまたはCurrent Timeを押せば一発です。


どちらもボタンを押した時点が記録されますが、後者なら年/月/日に加えて時:分:秒も入力される(*)ので、最初に取り掛かったトレーニング種目と最後の種目の時刻の差から、一連のトレーニングに掛かった時間が大まかに分かります(最後の種目を「深呼吸」とか「ストレッチ」にしておけば更に正確)。

* セルに記録されている実データの内、年/月/日だけや時:分だけを選んで表示させることもできます:表示設定を変えたいセルをタップで選択しておき、画面上端のペンキブラシのマークをタップ、画面下部に現われるパネルからFormat→Date & Timeの( i )ボタンとタップして行くと、DATE(年月日)とTIME(時分秒)それぞれの表示方法が選べます。



動作回数(reps)の記録は10回とか20回のような予め決めた回数ではなく、その日その時そのセットで限界まで力を振り絞って実行できた動作の回数をそのまま入力できるのがポイントです。筋トレ記録アプリの多くは各セットの回数が予め設定されていて、その回数ができたかどうかしか記録できないのが不満でした。

雑誌などでもよく見かける「この動作を10回 × 3セット」のようなトレーニングの仕方だと筋肉に充分な刺激を与えられず、筋肥大を目指す上では非効率なので、日毎、セット毎に変わる限界の回数をそのまま記録できるのは表計算ソフトを使う大きな利点の一つです。


姿勢維持系トレーニングの記録


side plankの記録画面

サイド・プランクや片足スクワットのような種目は、左右それぞれに一つのシートを使っています。左右の筋力が違う場合は弱い側を重点的に鍛えてバランスを取りたいので、別々のシートに分けたほうが負荷を管理しやすいです。

動作を反復するのではなく、一定の姿勢で静止して負荷を掛けるタイプのトレーニング(プランクなど)は、回数ではなく持続時間を入力します。秒数の入力は、画面下部のキーボード・アイコンのボタン→砂時計アイコンのボタンとタップすると、時間の単位ボタンとテンキーが並んだキーボードが出てくるので便利です。



秒数の測定


持続時間の記録には、iPhoneに最初から入っているClockのStopwatch機能が使えます。


プランクのような種目の持続時間を測定する他、動作反復系の種目のインターバル(セット間の休息秒数)を正確に揃えるのにも使えます。


記録作業の流れ


反復系の種目の場合、
  1. Stopwatchを画面に出しておく
  2. 連続してできる限界の回数まで筋トレ動作を反復する(1セット目)
  3. 限界が来たらすぐにStopwatchのStartボタンを押す
  4. アプリをNumbersに切り替え、反復できた回数を入力する
  5. アプリをStopwatchに切り替える
  6. 予め決めた秒数が経過したらStop、Resetを押し、すぐに2セット目を始める
  7. (2〜6を繰り返す)
のように、やや煩雑なものになります。

姿勢維持系の種目の場合は所定の姿勢を取ると同時にStopwatchのStartボタンを押して秒数を計ります。

二つのアプリの切り替えを頻繁にするので、アプリのアイコンは同じhome screenに隣り合わせに配置しておくとスムーズです(が、理想は一つのアプリで完結すること)。

インターバルを90秒にする場合は、アニメのOP/ED曲(テレビサイズ)とほぼ同じ長さなので、Clockの代わりに音楽を一曲流すという手もあります。


ログデータの利用


記録のグラフ化

表計算ソフトを使うもう一つの利点が、好みのデザインでグラフが作れることです。上の作例は3セット行なっている腕立て伏せの回数を積み上げ棒グラフで表現しています。1セット目で頑張れた日は、2セット目以降であまり回数が伸びなくても、3セット合計の回数では他の日より多かったことが分かります。

それから、ログデータの保存先をiCloudにしておくと、デスクトップやノートのmacからも簡単にアクセスできるので、データの集計やバックアップに便利です。専用のトレーニング・アプリはデータを囲い込もうとするので、ログの自由な再利用が難しいです。

表計算ソフトを使った手動入力の弱点は、ログを他のユーザーに見せて「いいね」を貰ったり、記録を競い合ったりする機能が無いので、モチベーションを自分で維持する必要があることと、iPhoneのHealthアプリと連携できないので、筋トレ以外の運動も含めた一元的な健康管理には向かないことですね。


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