2014年6月25日水曜日

日本の道路標識は分かりにくい

日本の標識
(どっちが規制区間の始まり/終わり?)


オランダの標識
(始まりと終わりが一目瞭然)

日本の標識は直感的に分かりにくく、
遠くからも識別しにくい。
利用者目線を欠いたデザインです。

免許を取る時に標識を覚えるので苦労した人は怒っていい。



最近は文字を使った補助標識が増えていますね。

矢印よりは分かりやすいように思えますが、
冷静に見れば二つの標識セットの違いは
「から」と「まで」だけで、
それ以外の要素は完全に一致しています



また、この標識は平仮名を習得した人にしか理解できません
外国人から見ればグニャグニャとうねる謎の文字ですが、
文字部分が解読できないと標識全体の意味が確定できないという酷さ。

標識の考案者は海外でアラビア文字や
キリル文字だけで書かれた標識に
困惑した経験などが無いのでしょうか。

空港や駅の案内板に見られる多言語表示の
フォントサイズ差別もそうですが、
日本人は外国人の視点に対して本当に無神経ですね。



それともう一つ、本標識と補助標識を組み合わせる方式では、
一本の支柱に標識がたくさん付いていると、補助標識が
どの本標識を修飾しているのかパッと見で分かりにくくなります。

これはドライバーにとって混乱を招くだけでなく、
標識設置工事の作業員が補助標識の取り付け位置を間違える
といった「事故」を誘発するリスクも生んでいます(*)。

* 「道路標識と信号機の森」というサイトで
間違い設置例が多数紹介されています。
http://trafficsignal.jp/~mori/ha01.htm


オランダの標識

そういった問題点の数々を念頭に置いて
改めてオランダの標識デザインを見ると、
  • デザインが直感的で外国人でも理解できる
  • 遠くからでも標識の内容がすぐに分かる
  • 設置工事の段階でヒューマンエラーが入り込む余地が少ない
など、実に深く考え抜かれている事が分かります。



速度規制の標識の他にも、日本の道路標識体系には
「この先行き止まり」を意味する統一された標識が無い
という信じがたい欠陥も有りますね。

その結果、日本では全国各地で好き勝手なデザインの
(往々にして分かりにくい)案内板が乱立しています。

一方、EUでは加盟各国でだいたい同じデザインの標識が
統一的に使われています。

「車が通り抜けられない道路」を意味するオランダの道路標識

ちなみに、上の標識で「車が」と注釈付きなのは、
中心市街や住宅街などで道路の真ん中に杭などを敢えて立て、(*)
歩行者や自転車だけが通り抜けられるようにしている場合が有るからです。
日本とは価値観が大きく異なる点ですね。

日本では左右のドアミラーが民家の塀を擦りそうな狭い道路でさえ
「軽自動車以外は通り抜けられません」などと
車に利する方向に傾きがちですから。

* 杭を立てる意義を理解できない人が
いるかもしれないので一応補足しておくと、
住宅街から通過交通を排除して平穏な住環境を取り戻したり、
車に遠回りを強いて自転車の移動速度を相対的に有利にし、
モーダルシフトを促す事などが目的です。



標識画像の引用元(一部は元画像を加工・合成して使用)