集団で走るのは初めてだったので色々発見が有りました。
一番痛感したのが、東京では自転車の通行空間の容量がとても小さい(か、全く無い)という事。特に交差点周辺では、直進だろうが左折だろうが二段階右折だろうが、数十台の自転車が纏まってやってくると途端に溢れてしまう事が印象に残りました。
今まで私は休日の多摩川くらいでしか自転車の渋滞を経験した事が無かったので、一般道で大量の自転車トラフィックが発生した時に具体的にどうなるのかを自分の目で直接見るのは非常に新鮮な体験でした。
その体験から改めて考えさせられたのは、オランダの交差点の設計意図です:
- 交差点手前で自転車道の中に方向別レーンを設置する
- 自転車が信号と無関係に常時右折(日本では左折)できるバイパスを設置
- 交通量の多い道路では自転車道をアンダーパスさせる
- 自転車用信号のみを全方向同時に青にするフェーズを設け、2段階右折を不要にする
右折レーンと直進レーンに分かれている自転車道
こうした工夫は自転車を他の交通モードよりも有利にする為の付加的なサービスだと思っていたんですが、オランダほど大量の自転車通行台数を捌かなければならなくなると、寧ろ、交差点周辺で自転車が溢れてしまわないように、可能な限り流量を確保するという切実で現実的な意図も有るのかも——
局所的な自転車密度で言えばロンドンの抗議デモやアムステルダムの日常にも迫るグループライドの中でそんな事を考えながら、普段の東京の風景を思い浮かべると、その対比から、東京でも通勤自転車はまだまだマイノリティーだなあと思いました。
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クルージングの最後に代々木公園の入口の広場でグルグル回りましたが、そこでも発見が有りました。他の参加者より少し内側を回っていると、いざ外側に移ろうとしても斜め後方を確認するのがとても難しく、他の自転車を見落としそうになるという事です。
一定の旋回半径の維持、車体バランスの維持、進路前方の確認、斜め後方の確認と、処理負荷の重いタスクが幾重にも集中して、運転の難易度が非常に高いです。
これはちょうど、ラウンダバウトの環道部分を通行するドライバーと、その周縁部を走るサイクリストの関係と同じで、なぜドイツ・デュッセルドルフ市が
Radfahren im Kreisverkehr
このような図を作って注意喚起しているのか、実体験で理解できた気がします(四輪の車ではタスクの負担度が違うかもしれませんが)。
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日本の4世代先を行くオランダのラウンダバウト設計
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イベント参加中は余裕が無くて写真をあまり撮れなかったので、翌日一人でもう一度走ってきました(↓)
Night Pedal Cruising(補)