2013年1月19日土曜日

今すぐ自転車レーンを整備すべき場所 - カーブ編

前回に続き、
今すぐ自転車レーンなり自転車道なりを整備して欲しい場所。
二回目はカーブを取り上げます。






左カーブ

左側通行の日本では、左カーブとその前後は特に危険な箇所です。

  1. カーブでは内輪差で車の車体後方がカーブ内側に寄る。
    • 後続車に追い越されるとき、左に回避できる空間が無く、車と縁石に挟まれる。
  2. カーブの内側に切り込むように走るドライバーがいる。
    • 1と同じく車と縁石に挟まれる。
  3. カーブの途中やカーブの先が死角になる。
    • 路駐車両が急に視界に入り、驚いて右に回避すると後続車に追突される。
    • 逆走自転車が急に現われ、反応できずに正面衝突する。
    • 路駐車両を右からかわしたら、その陰から逆走自転車が(以下略)
    • カーブを抜けた直後の死角で歩行者が車道を横断(以下略)
    • 自転車を追い越そうとして反対車線にはみ出した車が対向車と正面衝突する。

二点目について補足します。ドライバーは一般に、
カーブで曲がっていく方向に吸い寄せられる性質、
カーブの内側へハンドルを切り過ぎる性質が有ります。
(これを「曲方指向」と言うそうです。)
特に、高齢者ドライバーは空間把握の精度が落ちているので、
タイヤの側面で縁石を擦るほどにハンドルを切ってしまう事があります。
(今後、そういうドライバーは急増します。)
すると、車道の左端を走っている自転車は?

挽き肉ですね。


三点目の逆走自転車は困った事に、
大抵が路駐車両の直前まで車道の端にへばり付いて走ってくるんですよね。
まるで意図的に死角に潜むような走り方です。
これは知らないと本当に回避できません。ほとんど無理ゲーです。


また、カーブの途中で自転車を追い越そうとする車にも困ったものです。
前方に明らかな死角が有るのに、自転車のスピードを甘く見積もってか、
果敢に追い越しを仕掛けては対向車に驚いて急ブレーキを踏むという
馬鹿なドライバーが非常に多く見られます。カーブを抜けるまで待てば良いのに。

しかし、馬鹿ドライバー比率がそれほど高いとなると、
寧ろその行動を道路の設計に織り込まない方が悪いという事になってきます。
(その対策の一つが自転車レーンの整備。)



さて、では具体的にどのカーブが危ないのでしょうか。
私自身が実際に危険な目に遭ったのは、



大久保通りの中野五差路交差点付近の左カーブ(西から北東)や

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もみじ山通りの紅葉山公園下交差点付近の左カーブ(北東から南)や

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都道457号線の西日暮里四丁目交差点付近の左カーブ(北東から南西)や

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(曲率は緩めだが、路上パーキングと上り坂、タクシー銀座、
さらに逆走自転車の多発が組み合わさった高難易度の区間。)


外堀通りの順天堂前交差点付近の左カーブ(南東から西)や

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明治通りの原宿警察署前の左カーブ(南から北)や

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(左カーブ且つ上り坂。カーブの死角にはほぼ常に路駐が発生している。

また、カーブの途中の沿道に公衆トイレが有り、
トイレ休憩でカーブの死角に路駐するタクシーが後を絶たない。

更に、カーブを抜け切らない内に路上パーキング区間が始まり、
危険な路駐が公然と放置されている。

これらは全て原宿警察署の正面で堂々と行なわれている。)


新目白通りの山手線ガード付近の左カーブ(東から西)や

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(歩道の幅員が2mに満たない上、車道の車の流れも速い。
高規格道路である為か、ドライバーの自転車に対する排除意識が露わ。
そしてこのカーブ近辺に限って路上駐車が集中的に発生している。)


不忍通りの駒込稲荷坂下交差点付近の左カーブ(南東から西)です。

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この最後の例はドライバーの曲方指向を理解する上で
好都合な例なので詳しく説明します。


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このカーブは、カーブの途中で上下線の第一通行帯が
それぞれ最大2mほど拡幅するという
非常に歪(いびつ)な構造になっています。

外側のカーブ(右カーブ)は拡幅部分に導流帯が描かれていますが、
内側のカーブ(左カーブ)にはそうした措置はありません。


さて、拡幅部分では第一通行帯の幅員は約5mも有りますから、
自転車は普通に左端に寄れば、後続車は十分な側方間隔を取って
追い越せるはずです
縁石から自転車の左端 1.0m (歩道側からの飛び出しに対する安全マージン)
自転車の車体幅 0.6m
自転車の右端から車の左端 1.0m
車の車体幅 1.7m (一般的なサイズの乗用車。ドアミラー含まず)
車の右端から通行帯区分線 0.7m
が、2012年7月11日(*)の夜間、この左カーブを
車道の左端に寄って走行していたところ、
後ろから銀色のワンボックスが来て
自転車の横スレスレを猛スピードで追い越していきました。
(* 私は去年から、自転車乗車中のニアミス・事故事例は全て記録しています。
去年一年間では80回のニアミスまたは事故が有りました。
一日当たりでは少なくとも1~2回、多い日は8~9回もニアミス・事故に遭っています。)

通行帯の幅員に十分余裕が有るにも関わらず、
ドライバーはカーブでハンドルを切り過ぎてしまう例として
理解可能だと思います。(悪意からという可能性も有ります。)

そして、この地点に於けるこの形態のニアミス事例はこれで二件目です。


また、曲方指向とは関係有りませんが、このカーブ区間の車道は
全面的に赤色舗装で駐停車禁止が示されているにも関わらず、
実際にはカーブの途中で路駐するドライバーがいます。

確かに幅員だけ見れば、路駐しても他の車が通る邪魔に
ならないように見えますが、自分の車が作り出している
ハザードには無頓着なようです。



右カーブ

前回の坂編と同様、
左カーブに自転車レーンを整備するなら
車道の反対側の右カーブにも同時に整備する必要が有ります。



まとめ

以上見てきた事から、カーブは車道を走行する自転車にとって危険が多く、
自転車レーンの整備が必要性が高い事が分かります。

(事故に至る事は少ないですが、ニアミスは頻発しています。
この危険性・恐怖感は警察の事故統計からは読み取れません。)


また、ドライバーの曲方指向を考慮すると、
自転車レーンは単に路面にペイントを施すだけでなく、
何らかの物理的な区切りで車の進入を阻む必要が有る事が分かります。

(もちろん、その区切りがドライバーの視界から自転車を
物理的・心理的に消し去る作用を持っていては本末転倒ですが。)