2013年4月13日土曜日

車の運転は、もう人間には任せておけない

"Humans really aren't the safest drivers these days."
近頃は人間が一番安全なドライバーとは言えなくなっている。
(The Oregonianの記事から)

アメリカでは現在、ネヴァダ州とカリフォルニア州で
無人運転自動車の公道走行が法律で認められており、
Googleが改造したトヨタ・プリウスが試験走行しています。

自転車を優遇する政策で有名なオレゴン州でも、
まもなく無人運転を認める法案の審議が始まるところだそうで、
これに期待を寄せる記事が地元のThe Oregonian紙から出ています。

The driverless car's time has come in Oregon




法案審議はちょうど、
全米の「注意散漫運転の撲滅月間」の
期間に当たるそうです。

記事によれば、

運転中のメールやFacebookの利用で起こる事故が
大きな社会問題になっているが、
自動運転が実現すればそうした命が救える。

しかも、渋滞中にスポーツの試合を見たり新聞を読んだりして
時間を有効に使えるようになるし、燃料の無駄遣いも減る。

として、その技術革新に大きな期待を寄せています。また、

法案を出したオレゴン州議員のSara Gelserは、
元々は高齢者や障害者が自立できるようにと起草したが、
審議では注意散漫運転の問題も考えるべきだと言っている。

と、その背景を伝えています。

私も自転車視点から無人運転の技術には
大いに期待していますが、理由は少し違います。



――別に注意散漫でなくても、
人間は車を安全に運転できないんじゃないか?



私は自転車に乗るとき、大抵は車道を走りますが、
その際に(一部の)ドライバーの安全運転能力に疑問を抱く事が結構有ります。例えば

  • 違法なホーン使用
  • 車間距離の異常接近
  • アクセルの乱れ踏み
  • 狭い場所での危険な追い越し
  • 赤信号を見ての後方からの急加速

などの行動を受けた時です。

  • 自転車に「車の領分」を侵食されると、ホーンを鳴らさずにはいられない。
  • 車間距離を車間時間で0.1秒まで詰めてしまう。 
  • ホーンを鳴らせないのでエンジン音で脅そうとしてしまう。
  • 僅かでも隙間が有ればそこを突いてすり抜けようとしてしまう。
  • 信号が黄から赤に変わった瞬間にアクセルを踏み込んでしまう。

何なんでしょうね。
まるで自制の効いていない、小学生のようなこれらの振る舞いは。



私たち人間は自分たちが理性的な存在だと自負していますが、
実のところ、その行動のかなりの部分は動物的な本能に支配されています。
道路交通システムの一要素として信頼を置くには、あまりに危険な存在です。

(にも関わらず、支配欲や攻撃衝動を煽るような
車の開発・宣伝が罷り通ってますね。)

それならもう運転はロボットに任せて、
人間には一切触れさせない方が安全なのでは?



車ではなく鉄道の例ですが、

  • 運転士が居眠りしても無事に停止できた山陽新幹線
  • 運転士の判断のせいで重大事故に至った福知山線

この二路線のうち、どちらがシステムとして優れているのか。

前者については、事故当時、

なんて恐ろしいっ!

という世論が支配的でしたが、それは見当違いです。

新幹線の安全システムすげー!

こういう受け止め方をすべきでした。
そして、他分野もその安全技術を見習うべきでした。

(なんと、こんな面まで理性を欠いているのか人間は。)



本題に戻って車の自動運転技術ですが、
もちろん、まだ安全上のバグが残っている可能性は有るでしょう。

しかし、他者に対する攻撃性を帯びて運転する人間よりは、
ロボットの方が遥かにまし。これが私の考え方です。