両者の動作主が揃わない組み合わせも有り得ますが、
普通はそのパターンでの複合は避けるものだと思っていました。
「打ち上がる」
- 花火が打ち上がる。
- 2014年に打ち上がる人工衛星。
- 珍しい魚が浜辺に打ち上がる。
- 今回用意した粉で打ち上がる麺は5人前。
「打つ」が接頭語化して実質的な意味を失っているからOKなのでしょうか。
なんとなく、受動形の「打ち上げられる」の煩雑さを回避した結果に見えますが。
しかし、例えば「読み上げる」に対して「読み上がる」とは言いません。
- 成績優秀者の名前が読み上げられた。
- 成績優秀者の名前が読み上がった。
言えそうですけどね。
「立ち上げる」
- パソコンを立ち上げる。
- 自宅サーバーを立ち上げる。
- 新規プロジェクトを立ち上げる。
- 会社を立ち上げる。
- 学生団体を立ち上げる。
「~が立ち上がる」や「~を立て上げる」とは言わないんですね。
「取り付く」
- ASUSのマザーボードにこのCPUクーラーは取り付きますか?
- TOTOの便器にこの温水洗浄便座は取り付きますか?
- バイクにこのカーナビは取り付きますか?
- Nikonの一眼デジカメにレンズフィルターは取り付きますか?
- TIMEのシューズにSPD-SLのクリートは取り付きますか?
- 専用工具が無くてもDIYで取り付きますか?
ずいぶんと付喪神が多い時代になりました。
「付け加わる」
- 項目が付け加わる
- 新しく付け加わった神経細胞
- 付け加わった一文
- 常用漢字表に付け加わった字
- 10速の12-25Tに28Tが付け加わった12-28Tがあれば
十分クロスレシオでありながらもオールラウンドに使いこなせます
これも「付け加えられる」を避けた結果に見えます。
「付き加わる」という形も考えられますが、用例は稀です。
他にはこんな例が有りますね。
「売り切れる」
- 商品が売り切れる。
「建て替わる」
- 目印にしていた家が建て替わっていた。
「折り曲がる」 (これは意味に無頓着な音変化の結果かな?)
- ぐにゃっと折り曲がるTFT液晶ディスプレイ
「炊き上がる」、「焼き上がる」、「茹で上がる」、「蒸し上がる」
- ご飯が炊き上がる。
- パンが焼き上がる。
- 麺が茹で上がる。
- 饅頭が蒸し上がる。
「酔い潰す」
- 酒で人を酔い潰す。
「釣り上がる」
- フグばかりが釣り上がる。
「組み上がる」
- 主翼が組み上がっている。
「持ち上がる」
- 資産差し押さえ問題が持ち上がる。
「盛り上がる」
- カラオケで盛り上がる曲