2013年4月26日金曜日

車道の走り方 - 路駐車両を回避する

自転車で車道を走る時に立ちはだかる難敵
――路上駐車の車にどう対処するかという話です。

路駐車両が現われるたびに歩道に上がっていたのでは
大変ですし、所要時間も延びてしまいますよね。
縁石の段差で転倒するリスクも有ります。

では、どうすれば路駐車両を右側から安全にパスできるのか。
三つの注意点を取り上げました。


まずは、一にも二にも【ドアゾーン】の回避です。


後続車に遠慮して路駐車両の横ギリギリを通過すると、

GET DOORED!!!!!

こうなります。突然開くドア。これがドアゾーンです。
最悪の場合、ドアにぶつかって転倒し、後続車に轢かれます。

これを知らずに車の横スレスレを通過する
自転車があまりにも多いです。原付もそうです。

警察はこのリスクについて全く啓蒙活動をしていませんね。
歩道ばかり走っているから知らないんでしょうか。


Avoid the door zone

安全なライン取りはこうです。
自転車や自分の体がドアゾーンに入らないように、
車の側面から1.0m、できれば1.5m以上間隔を取ります。


Take a lane

ドアゾーンを回避するのに必要であれば、
完全に車の列に入り、一車線を占有してしまうのが賢明です。
(後続車のドライバーが攻撃的な性格でなければ、ですが。)



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次に重要なのが、路駐を回避する為の進路変更は、

  • 早い段階から準備し、
  • 緩やかに行なう事。

路駐車両の直前になって唐突に進路変更すると、
危険予測ができていない車やバイクに追突されます。

状況が切羽詰ってしまう前に、
早い段階で進路変更のシーケンス

  1. 後方確認
  2. 手信号 (3秒間)
  3. 進路変更 (緩やかに)

を実行して、路駐車両を回避すべきです。

(手信号を出してから進路変更を開始するまでの「3秒間」は、
道路交通法施行令の第21条で規定されています。)


「緩やかに」というのは、進路変更で斜めに走行するとき、
横方向の移動速度が(例えば)0.5m/s程度という意味です。
横断歩道の白帯1本(0.45m)を1秒間掛けて跨ぐイメージです。


横方向の成分が0.5m/sec


「早い段階」というのは、路駐車両の何メートル手前から
進路変更のシーケンスを開始すべきかという事ですが、
例えば以下の条件であれば、


後方確認 1秒
手信号 3秒
路駐車両の車体幅 1.7m
路駐車両と縁石の間隔 0.5m
ドアゾーン幅 1.0m
自転車の初期通行位置(縁石から) 1.0m
進路変更速度(横方向) 0.5m/s


シーケンス開始地点は以下のようになります。


自転車の速度  路駐車両までの距離
10km/h 23m
15km/h 35m
20km/h 47m
25km/h 58m
30km/h 70m
35km/h 82m
40km/h 93m
45km/h 105m
50km/h 117m


但し、この計算値は余裕を全く含んでいません。
車の流れにスムーズに乗れないと失敗します。

現実には交通状況を見ながら、もっと早い段階で
路駐回避の走行ラインに移っておく必要が有るかもしれません。

もし進路変更に失敗したら、潔く諦めて路駐車両の後ろで停止し、
車の流れが途切れるのを待つのが安全です。



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最後に手信号について。

進路変更する前に後続車のドライバーに向けて
手信号で意思表示をしておくと、追突リスクを或る程度抑えられます。


ただし、


日本では手信号を出す自転車が極めて稀なので、
腕を横に水平に伸ばしても、ドライバーやライダーには
その意味が理解されない場合が有ると想定すべきです。

(単に進路を邪魔しているように見える、など。
手信号を見てもどんどん車間距離を詰めてくるドライバーがいます。)


また、自転車が手信号を出す可能性を
想像できないドライバーやライダーは、
自転車の横スレスレを猛スピードで追い越す事が有ります。

この時、不用意に手信号を出すと、
伸ばした腕を吹っ飛ばされるリスクが有ります。


こうした理由から、
  • 手信号を出す時は、あらかじめ後方を確認しておく
  • 実際に進路変更を始める前に、後ろを振り返ってアイ・コンタクトを取る
事を推奨します。


手信号を出すと自転車がふら付いてしまう人は、
車が通らない安全な場所で練習しておくと良いでしょう。

オランダ人は幼少期から特訓を受けているそうで、
実際、フローニゲンの街では手信号をよく見ました。