カリフォルニア州の各地で、
交通弱者に対するハラスメントを禁じる条例が
続々と可決されています。
カリフォルニア州ではロサンジェルス市、バークリー市、
サニヴェイル市(アップル本社が在るクパチーノ市の隣)、
その他ではワシントンDCが既にハラスメント禁止条例を可決しています。
これは、歩行者、自転車、障害者、道路工事の作業員など、
道路空間で弱い立場にある人々を、(主には)車の横暴な
加害行動から守ろうとするものです。
2013年3月19日には、ソノマ郡(サンフランシスコの湾の北)の
監督委員会が同様の条例を可決しました。郡としては全米初です。
今後は郡の中の各市がその条例に沿ってローカルの条例を
制定していく流れだそうです。
こうした動きの背景として、地元紙が三つの要因を紹介しています。
一つ目は、過去数年間に歩行者やサイクリストが
車に撥ねられる事故が頻発した事。
記事では、82歳のドライバーが常習的に車でサイクリストを攻撃し、
重傷を負わせているという事例が紹介されています。
カリフォルニアでも自転車は交通ルールを守らない存在として
ドライバーに敵視されがちなのだそうですが、だからといって、
それを理由にドライバーが私的な制裁を下すのは許されない、
という強い正義感が郡にも共有されているのでしょう。
条例は反対意見も無く、すんなり可決されたそうです。
二つ目は、そのような危険な道路環境が有るからといって
家に引き籠もっているわけにはいかないという事です。
例えば運動不足による心臓発作で死亡する確率は、
自転車に乗っている時に車に撥ねられる確率より
5倍も高いという数字が紹介されています。
(撥ねられる確率も随分と高い気がしますが……。)
三つ目は、ソノマ郡が自転車文化のメッカだという事です。
元々自転車愛好家が多いという土地柄に加え、
自転車ツーリングや国際的なレースイベント、
さらにはローカルのトライアスロン大会も開かれているそうです。
この他にも地元クラブの走行会やチャリティーイベントなども有り、
普段から道路上にサイクリストが多いようです。