「自転車利用者のルール・マナー違反について」
『予防時報』 日本損害保険協会
今回は感想というかツッコミです。
p.20
自宅から最寄りの駅まで自転車で行くことも、
朝の渋滞を回避するという点では
迅速性・快適性を充たしているといえるが、
究極のケースとしては、やはりツーキニストであろう。
彼らの多くは、競技用自転車ピストバイク(以下、「ピスト」という)
に乗って通勤先へ向かう。ピストなら最高時速30〜40kmは出る。
/*中略*/
ところが問題が1つある。ピストにはブレーキが付いていないのである。
これは事実誤認でしょう。
確かに、ピストは若者の間で流行っていて、
東京では新宿、渋谷、六本木辺りで良く見掛けますが、
通勤自転車で一番多いのはクロスバイクか軽快車辺りでは?
ピスト通勤も有るには有るでしょうが、
決して多数派ではないというのが私の印象です。
もちろん、新宿や渋谷、六本木方面に向かう人が
多いであろう甲州街道、青梅街道、玉川通りなどでは、
他の道路よりピスト比率が若干高いかもしれませんが、
それでも「彼らの多く」ではないでしょう。
論考のこの部分では「ブレーキが付いていない」事を
指摘する趣旨でピストを取り上げていますが、
岸田氏がロードバイクをピストと見間違えたのだとすると、
これはとんだ勘違いです。
p.21
同様に「携帯電話を使用したり、傘差し運転をしてはならない」
と道路交通法で定められているにもかかわらず、
これは大嘘です。
道路交通法のどこにもそんな事は書かれていません。
正確には、各都道府県の公安委員会に
具体的な規制を委任する条項(71条6項)が有るだけで、
道路交通法自体には
「携帯電話を使用したり、傘差し運転をしてはならない」
という文言は含まれていません。
傘差し運転については禁止していない県も有ります。(参考URL)