2013年9月11日水曜日

3L3T lacing pattern

手組みホイールならではの美しい変則組みの一つ、
3 leading 3 trailing 組みをCADで描いてみました。



3 leading 3 trailing lacing (front)

前輪の構成例
hub Shimano HB-5700 (36H)
spokes Sapim Leader (2.0mm)
rim Mavic Open Pro (700c, 36H)

美しい trillium 模様ですね。
斜張橋を円に閉じ込めたような不思議な印象です。

工学的には多分 3 cross の方が優れているんでしょうが、
工芸品としての価値は 3L3Tの方が上だと思います。

この組み方は日本語でどう言うか知らないのですが、
適当な名前が無いなら「バイオハザード組み」はどうでしょう。
(仮組み段階の様子があのマークを連想させるので。)

ちなみに重量は上の構成で 880 g くらいになります。
(真鍮ニップル込み、リムテープ無し、QRスキュワー無し)

2013年9月11日訂正
スポーク長を仮に 269 mm として計算していましたが、
実際はもっと必要なので、正しい長さで計算しなおしたところ、
前輪全体では約 900 g になりました。

36H のリムは Mavic や Ambrosio には揃っていますが、
安くて軽くて(そこそこ)高品質と評判の KinLin XR-200 や XR-19W は
32H までしか無いので残念ながら使えません。



3 leading 3 trailing lacing (rear)

後輪の構成例
hub Shimano FH-5700 (36H)
spokes Sapim Leader (2.0mm)
rim Mavic Open Pro (700c, 36H)

後輪はあとちょっとハブフランジ径が大きければ
ペアのスポークが完全に平行になりそうですね。

重量は上の構成で 1070 g くらいになります。
(真鍮ニップル込み、リムテープ無し、QRスキュワー無し)

前後の合計では約 1950 g で、この内、スポークだけで約 500 g も有ります。
スポークを全て Sapim CX-RAY で組むと約 1770 g まで落とせますが、
材料費は1万円以上跳ね上がります。

2013年9月11日訂正
前輪と同様、スポーク長を本来必要な長さで計算しなおすと、
1094 g くらいになりました。前後の合計では約 1994 g です。
CX-RAY で組んだ場合は約 1795 g です。



右から見た後輪の駆動側スポーク


直感に反してスポークの長さは1種類(後輪は2種類)で済みますが、
オーソドックスな 3 cross 組みより綾が多いので、
少し長めのスポークが必要です。

組む時は綾の摩擦が大きい分、振れ取りが若干難しくなるそうです。

ハブフランジに大きな負担が掛かるので、
ハブは強度の高い製品を使った方が良いでしょう。
鋳造ハブはちょっと怖いですね。私なら冷間鍛造の物を使いたいです。
ラージフランジハブも、無茶な軽量化をした物は要注意です。

前輪はディレイラーケージとの接触を気にしなくても良いので、
綾を取らずに組む事もできます。