道路設計者は楽をしてきた。
本来なら車も自転車も安全に通れる構造に頭を悩ませる所を、
車だけ考慮して設計すれば良かったのだから。
だが、歩道での自転車対人の事故が急増してそうも行かなくなった。
警察庁は自転車を車道に戻すと発表する。
警察の指導に従い車道を走ってみると、
欠陥設計の交差点に幾つも出くわす。
そんな交差点をレビューしていく。
和光陸橋交差点
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問題点
地図上で下から上へ、笹目通りを直進しようとすると、
自車線の左折車と対向車線の右折車が同時に流れるので
交差点内で立ち往生させられる。
回避手段
- 横断歩道をコの字に渡る。 (かなり遠回りで、信号待ちの時間も数倍になる。)
- 陸橋を渡る。 (軽車両の通行規制は無いので自転車も通れる。)
- 交差点内(右から左に通る道路の又部分)で次の青信号を待ち、
青になったら対向車線の右折車が動き出す前に急いで渡る。
飯倉交差点
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左から右へ、外苑東通りを直進しようとすると、
第一通行帯の左折レーンが先に青になる。
交差点手前の車道左端で待機すると
左折車が横すれすれを走っていく。
赤羽橋交差点
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複雑すぎて全体を把握できない。
交通量が多く点灯サイクルも長いので、
横断歩道を利用すると通過に数分を要する。
札の辻交差点
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右上から左下の第一京浜下り線は左折が先行開通で、その後全方向開通。
停止線が交差点よりかなり手前なので、交差点中心部付近では
通過する車の速度がかなり上がっている。
上の都道301号から交差点に入り、左下の第一京浜へ二段階右折しようとすると、
第一京浜の高速左折車の渦中に取り残される羽目になる。
非常に悪質な構造の交差点だが、
第一京浜の信号制御を「直進青」→「全方向青」の順に変えるだけでも
大分安全になる。
この交差点に限らず、「左折青」→「全方向青」という順が原因で
車道の左端を通行する自転車を危険に曝している交差点は多い。
八ツ山橋交差点
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上から下に南下する第一京浜は
- 第一通行帯 「←」レーン
- 第二通行帯 「→」レーン
- 第三通行帯 「↑」レーン
- 第四通行帯 「↑」レーン
都道317号に入る第二通行帯は自転車通行禁止のトンネルで、歩道も無い。
大森警察署前交差点
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大通りのY字路交差点に小さな脇道が何本も繋がっている変則的な交差点。
上の第一京浜から右下の国道131号へのY字分岐へは
後続の大型トラックが飛ばしてくるので、
上から左下へ直進しようとする自転車は注意。
自信が無ければ横断歩道に逃げた方が良い。
大田区の七差路
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出会い頭衝突を回避したとしても、誰が最初に動けば良いのか混乱する。
大森東交差点
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下から上へ直進しようとすると、第一、第二通行帯が左折専用レーン。
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左折レーンが二本。直進したい自転車には厳しい。
鈴ヶ森の交差点
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下から上へ第一京浜を北上すると、途中で左から逆Y字で
車が合流してくる。下手をすると車の板挟みに。
第一京浜と池上通りの交差点
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上から下に、第一京浜を南下する方向だけ自転車横断帯が無い。
無いなら無いで、それまでの走行ラインの延長線上で
交差点を通過すれば良いのだが、法律を知らない一般人には
違法行為の様に見える場合が有る。
居木橋交差点
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変則的すぎて混乱する。二段階右折はどこですべきなのか。
目黒不動交差点
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二本の道路の交差角が鋭角過ぎる。
下、または上の細い道から山手通りに入って右折する場合は
「三段階」右折が必要。
大鳥神社交差点
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右下から左上、または左上から右下へ
山手通りを直進する自転車にとっては、
右直事故の危険が大きい構造。
直進する車は路線バス以外は全てアンダーパスを通るので、
地上の直進車は青信号になった直後にはもう対向右折車に
進路を塞がれてしまう。(そういう信号制御がされている。)
対向右折車も直進車がいるとは予想していないので、
両者は簡単にニアミス状態に陥ってしまう。
この交差点の他にも、アンダーパスや陸橋が設置されている交差点では
直進する自転車に対する配慮がなされていない事が多い。
中目黒立体交差
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右下から左上へ、山手通りを直進する車線は交差点手前で
左折レーンと分岐するのだが、分岐点から停止線までが近過ぎて、
信号待ちをしている直進自転車は左折車に引っ掛けられる恐れが有る。
山手通り北行きはこの交差点から東急のガードまでの区間、
バス停やらタクシー車列やら車線減少やらアンダーパスとの合流やらで
車との動線が交錯しやすいので危険。