2012年11月5日月曜日

アイウェアのレビュー

スポーツ自転車で用いる二種類のアイウェアをレビューします。
普段眼鏡の人がスポーツ自転車に乗る時に着用するアイウェアとして、
どのタイプが優れているか、という大まかなレビューも兼ねています。





「多目的スポーティーグラス」の名称で販売されている
インナーフレーム付きの格安サングラスです。
蔓を広げた時の幅は15.5cm、高さは5.0cm、重量は37gです。


ヘルメットと合わせるとこんな風に見えます。

度付きレンズを含めた実測重量は37gでしたが、
私が処方されたレンズは度が上限近くの分厚い物なので、
普通はもっと軽くなると思います。

透明、黄色、スモーク、偏光の四種類のレンズが付属しますが、
偏光レンズは車の窓ガラスやマンホールの蓋に
面白い模様が見えるだけで、自転車用としては意味が有りませんでした。

鼻当てや蔓は調節できず、頭の形に合わなかった為、
長時間着用していると耳の上が痛くなります。
これは蔓の耳を押さえる部分が細過ぎる事も原因かもしれません。

またフレームの蝶番の精度が低く、
蔓を開いた時の角度が左右で一致しません。

インナーフレームの左右の端に装飾的な張り出し部分が有りますが、
これは後方確認時に視界を妨げます。他社のまともな製品では
レンズを嵌める枠以外にこうした余分な造形は有りません。

内側のレンズは睫毛が当たって気になりますが、
顔から離して着用すると景色の見え方や風の巻き込みに影響します。

外側のレンズの前端は、場所によっては顔面から2cmも離れてしまう為、
風の巻き込みは(普通の眼鏡ほどではありませんが)かなり発生します。

(インナーフレームの無い普通のスポーツグラスでは、
レンズと顔面の隙間は最大でも5mm程度です。)

私は極度のドライアイで副流煙や排気ガスに対して敏感なので、
このサングラスをしていても目を開けていられなくなる程の痛みを
感じる事が有りました。

また、真冬の北風を正面から数時間受け続けた日は視界が白く霞み、
街路灯の灯りが拡散して見える程ドライアイの症状が悪化した為、
このサングラスは以後使わない事にしました。


uvexのsafety goggles X-9302(日本ではミドリ安全が販売)です。
フレームの色や通気孔の有無、レンズの透過率などで
X-9302の中にも幾つかバリエーションが有ります。

幅は18.5cm、高さは8.0cm、重量は90gです。

ヘルメットと合わせるとこんな風に見えます。

キノコヘルメットが霞むほどの存在感。
通常の眼鏡の上から掛けられる構造ですが、
私の眼鏡は幅14.7cm、高さ3.0cmなので、明らかに無駄な大きさです。

レンズを保持する枠には硬質のプラスチック、
顔面に当たる部分には柔らかいゴムと、素材が使い分けられています。

他の安価な作業用ゴーグルはこれらが一体成型なので
顔に当たる部分の柔軟性に乏しく、鼻の脇などに隙間が空いてしまいますが、
この製品はピッタリとフィットします。

副流煙や排気ガス、風の巻き込みはほぼ完全に遮断され、
パソコン作業で目を長時間酷使した直後でもなければ非常に快適です。

レンズの内面は防曇加工がされていますが、フェイスマスクと併用すると
夏でも信号待ちの間に軽く曇る事が有ります。
通気孔が有るモデルの場合、走り始めれば直ぐに曇りが消えます。

レンズの形状は曲面を描くワイド型ですが、周囲を不透明のプラスチック枠で
囲まれている為、視野は著しく制限されます。

通常の眼鏡やスポーツグラスの場合は、頭を右に90度曲げ、
更に眼球を右に45度動かせば、真後ろの車を視界の端に捉えられますが
このゴーグルをした場合は上半身ごと捻らないと後方確認ができません。
自転車用のバックミラーは必須です。