http://bicycledutch.wordpress.com/2014/01/30/ride-five-kilometres-priority/
記事の要点をまとめます。
・1930年代に引かれた道路に、既に自転車道が有った。
・一時期、自転車道が無くなり、車道が広げられた。
・1980年代の中頃、自転車道が復活した。
・1970年代に開発された地区の道路には、最初から自転車道が組み込まれていた。
・1990年代、コンクリートタイル敷きだった自転車道が
赤いアスファルト舗装に変更された。
・1990年代の終わり頃、信号付きの十字路交差点が
信号の無いラウンダバウトに作り替えられ、
自転車に優先通行権が与えられた。
これによって初めて、自転車のノンストップ通行環境が実現した。
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元記事には、そのノンストップの自転車道を
通しで走った動画が添えられています。
5.2 km を15分28秒ですから、旅行速度は 20.17 km/h ですね。
途中、一度も停止していない(*1)ので、走行中の平均速度も
ほぼ同じという事になります。こんな楽なスピードで
これだけ高い旅行速度を叩き出せるとは!
参考までに、東京都心(千代田区、中央区、港区)の
一般道では、平均旅行速度は 16 km/h です。
これは自転車ではなくクルマの数値です。
*1 途中、ラウンダバウトの車道と交差する部分の手前で徐行していますが、
ベンツに道を譲られて、そのまま先に横断しています。
もちろん、路面標示で自転車優先が明示されています。
車に対してはハンプの段差も有りますね。
東京の山手線の内側で同じ距離を移動しようと思ったら、
軽く15回くらい(*2)は信号に引っ掛かります。
信号待ち1回当たりの平均ロス時間を26秒(*2)とすると
390秒も余計に掛かりますから、同じ速度で走った場合、
旅行速度は 14.02 km/h に低下します。
*2 私自身の日々の経験から。
この悪条件でセルトーヘボスと同じ旅行速度を出すには
平均 34.79 km/h でかっ飛ばさないといけません。
登り坂が有るとロードバイクでも辛いですね。
信号待ちが1回でも減ればだいぶ楽になるんですが。
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もう一つ私が目を引かれたのが、舗装の変更です。
細かい凹凸が多いタイル敷きから、平滑なアスファルト舗装に変えた事で、
乗り心地が良くなり、長距離でも快適に移動できるようにしています。
(路面の平滑度が上がるとエネルギーロスも減ります。)
また、舗装の色を赤にした事で、ドライバーや歩行者からも、
そこが自転車の通路である事が分かりやすくなっています。
(オランダ国内では自転車道や自転車レーンに着色する場合、
赤が最も一般的です。統一ルールでも有るんでしょうか。)
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日本では歩道上で歩行者と自転車を混在させているので、
自転車の速度を抑制する目的でインターロッキング
ブロック舗装を採用する場合が有ります。
ただ、この舗装は、自転車の速度を抑制するというよりは、
山手通り
クロスバイクとママチャリを分離する効果の方が目立ちますね……。
タイヤの空気圧が全然違うので、まあ当然の結果です。
これは、捉えようによっては、スピードの出る自転車を
歩行者から分離できたと言えなくもないです。
では、このブロック舗装の採用は道路全体で見て成功と言えるのか。
言えません。車道を走る自転車の安全性・安心感が
まるで考慮されていないからです。