2014年2月20日木曜日

オランダのNo.1自転車都市コンテスト

オランダでは今、
全蘭で一番の自転車先進都市を決めるコンテスト、
Fietsstad 2014 が開催中です。



コンテストを主催しているのは
オランダの Fietserbond(サイクリスト同盟)です。

この団体はより良い自転車環境を求めてキャンペイン活動をしている団体で、
3万5000人の会員と、150の地方支部を擁しています。

(オランダの人口は2012年時点で1677万人なので、
会員数は人口の0.2%です。)

前回のコンテストは「安全な学校周辺環境」をテーマに
2011年に開催され、’s-Hertogenbosch が栄冠を手にしました。 

2014年の今大会は「バリアフリー・サイクリング」をテーマに、
  • 荒れた路面
  • 目的地に直行できない自転車道ネットワーク
  • 配置の悪いポール
  • 待ち時間の長い赤信号
  • 踏切
  • 交差点
などの障害を如何に除去できるかを競います。
(参照 Fietsersbond「今年の大会テーマ」)

最終的に参戦を表明したのは以下の5市で、
各市は優勝を目指して積極的な自転車インフラ投資を行なってきました。
それぞれのプロモーション映像を見ていきましょう。



Almere オルミール

オランダ国内では最も新しい市です。
ターボ・ラウンダバウトの記事にも出てきましたね。
1970年代後半から造成されていった計画都市ですが、
自転車インフラの実力の程はどうでしょうか。

2014年3月25日追記
こちらのブログで詳しい現地リポートが公開されました。
埋め立て造成の若い都市で、車、バス、自転車・歩行者を
極力分離する実験的な道路網が当初から整備されたようですが、
平面交差点や保守管理に改善の余地が多いと指摘されています。



Eindhoven エイントホーヴ(ン)

ここは最近できた美しすぎる空中回廊で話題の都市ですね。
しかし、一箇所だけ良くても、ネットワークとして
上手く機能していなければ意味が有りません。
市内の他の場所ではどのようなインフラが整備されているのでしょうか。

2014年3月25日追記
こちらのブログで詳しい現地リポートが公開されました。
この都市はかなり高評価ですね。Glaslaanの改修前後の写真が、
近年の急速な自転車インフラの改善の凄さを物語っています。



Enschede エンスヘデーイ/エンスフデー

ラウンダバウトで自転車に優先通行権を与えたのは
この都市がオランダで初めてです。
また、交差点で全方向の自転車に
同時に青を出す方式もここが発祥の地です。

ただ、PVの中にも出てきますが、複雑で分かりにくい
左折(日本で言う右折)用レーンなど、
低評価の自転車インフラもかなり有るようです。

こちらのブログに詳しい解説が有ります。

(リンク先のブログは立候補した5都市の自転車インフラを
詳しく紹介するシリーズ記事を書いています。記事は
都市名の逆アルファベット順に書き進められており、
現時点ではまだ Eindhoven と Almere が公開されていません。)




Velsen ヴェルズ(ン)/フェルス(ン)

こちらのブログの解説を要約して紹介します。

東西に流れる運河に分断された街。
この運河はアムステルダムから北海へ通じる経路で、
自転車はフェリー(1時間に3本)か水門で渡るしかない。
「バリアフリー」という今大会のテーマからすると不利な地形だが、
陸上部分のインフラも含め、どう巻き返すのかに注目。




Zwolle ズヴォラ/ズウォレ

こちらのブログの解説を要約して紹介します。

1970年代から自転車の通行経路のバリアを除去してきた
経験と蓄積が有る都市。その自転車道は、
  • 幅が広く、舗装が滑らか
  • 目的地に直行できる稠密なネットワーク
  • 車道との平面交差が不要な橋・トンネル
  • 段差やボラードを極力撤去
  • 自転車を優先する交差点の信号制御
などを特徴としており、非常に質が高い。