2015年7月2日木曜日

インフラの細部に宿る神、全体を覆う悪魔、或いはその逆

インフラは細部と全体それぞれの良し悪しの組み合わせで4つに分類できます。




I. 細部の神と全体の悪魔
高品質な自転車道を整備したとしても、街全体がクルマ移動に適した大きさや構造であれば、実際に自転車インフラを使うのは人口の僅かな割合に限られるでしょう。

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II. 細部の悪魔と全体の神
逆に、街の構造がコンパクトに纏まっており、入り組んだ街路と一通地獄で車が不便に、徒歩や自転車が便利になっていれば、インフラの細部の出来が多少悪くても徒歩・自転車を主体とした生態系が成立するでしょう(但し、不満や諍いが付き纏うでしょうが)。

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III. 細部の悪魔と全体の悪魔
個々の道路から街全体に至るまで、徒歩・自転車には危険・不便で、車には安全・便利な都市では、誰もが車の中に身を潜め、人の姿の見えない荒涼とした都市になりがちです。

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IV. 細部の神と全体の神
自転車の利用を優遇するという姿勢がインフラの細部から街全体のネットワークまで透徹しているオランダの都市では、自転車の利用が多く、事故も少なく、たとえ広大な無料駐車場を備えた大規模小売店が出来ても、多数の客が自転車でも来店します。

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以上の4分類を世田谷区の例に当て嵌めてみると、
元々細部の質が高かったわけではないものの、全体として車に不便な地区構造であった(II. 細部の悪魔と全体の神
状態から、
車の利便性を高めた一方、自転車には極細レーンしか用意しない(III. 細部の悪魔と全体の悪魔
状態に遷移させたものと理解できます。

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ってかこれだけ「神」とか「悪魔」とか乱発すると語彙不足の中学生みたいだ(笑)