2015年6月28日日曜日

東八道路の微・波打ち歩道

東八道路・三鷹福祉会館南交差点付近の歩道(場所

「波打ち歩道」と言うと普通は、車椅子や三輪自転車、四輪のシニアカーなどの転倒に繋がる、歩道の横断勾配(スロープ)の局所的な変化を指しますが、それとは別に、舗装路面の縦断方向にさざ波のように細かな波が立っている場合が有ります。



上の写真では路面に横筋が微かに見えるだけで殆ど目立ちませんが(*)、自転車で走ると相当な突き上げが高周波で来るので、「ワ〜レ〜ワ〜レ〜ワ〜宇宙人ダ〜」ごっこができます(笑)

* 最初は単に望遠で路面を舐めるように写せばこの波打ちを上手く視覚化できると思ったんですが、逆光で出来る陰や雨上がりの水溜りを入れるといった工夫が必要みたいですね。或いは車載カメラで手振れ補正をオフにして動画を撮影するとか、自転車に加速度計を載せて路面の凹凸をグラフ化するという手も考えられます。


2つの空間に分かれている歩道

東八道路のこの付近の区間は以前から歩道空間が植樹帯で2つに分けられていて、最近立てられた標識によって車道側が自転車、沿道側が歩行者と区分されていますが、


自転車用とされた空間は、歩行者空間と同じ路面の波打ちに加え、グレーチングや舗装の継ぎ接ぎ、路面の隆起などで乗り心地がかなり悪く、幅員が狭すぎて追い越しも儘ならないので、


現実には自転車の流れが両方の空間に散けています。(尤も、この付近の歩道は歩行者が少なく、たまにジョギングで通る人を除けば殆どが自転車なので、それほど問題になっていないようですが。)

また、ロングライドなどで通過するロードバイクはほぼ全て車道を通行しています。(車道は車道で大型車の通行が多く、轍の辺りがかなり荒れていますが、少なくとも縁石の段差は無いです。)


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インフラの欠陥に因って利用者の振る舞いが設計意図から外れるという、現在の日本ではありふれた問題ですが、この波打ち歩道からは一つのアイディアが得られます。

路面の波打ちが自転車にとって走りにくいなら、それを通行空間の誘導に使えるはずです。

例えば歩道と自転車道が並行している場所で、歩道は敢えて波打ちを残して乗り心地を悪くする一方、自転車道は最高水準の平滑度で施工すれば、(他に阻害要因が無ければ)自転車利用者は自ずと自転車道を選ぶでしょう。

同じ東八道路をもう少し西に行くと歩道上の自転車通行空間の路面が赤色になっている所が有るんですが、そこは平滑度がかなり高く、比較的走りやすいです。(但し、沿道の駐車場の出入り口部分はコンクリート舗装に切り替わるので、その境目の段差が難点です。)

これをもう少し洗練させて、幅員、線形、視距、交差点構造などを見直せば、ロードバイクもわざわざ車の脅威に身を曝す事無く、用意された自転車通行空間を使ってくれるようになるかもしれません。

現状では
  • 遅くて乗り心地は悪いが安心感の高い歩道か
  • 速くて乗り心地は良いが車が怖い車道か
の不幸な二択状態になっていますが、質の高いインフラを用意する事で一つの空間に集約してほしいですね。