互換性が保証されていませんが、異種混合でも動かないわけではありません。
(2013年1月3日 全面的に加筆訂正)
以下の組み合わせでの動作をメモしておきます。
シフター | ST-2200 | 8速 |
フロントディレイラー | FD-3400 | 9速 |
フロントスプロケット | FC-5700 (52/39) | 10速 |
チェーン | CN-HG50 (108 links) | 8速 |
リアディレイラー | RD-2200 | 8速 |
リアスプロケット | CS-HG50-8 (13-26) | 8速 |
フレームジオメトリは、リア・センターが415mm、BB下がりが65mmです。
上記のチェーン齣数は50/34 x 13-26構成の時に最適化したもので、
現状の構成ではシマノ指定の数より1, 2齣不足しています。
変速動作
フロント、リアともスムーズに変速します。
チェーン・ノイズ(こすれ音)
チェーン外側面と前ディレイラーのガイドプレートの擦れや、
チェーン内側面(右)と前スプロケットの歯の側面(右)の擦れ、
チェーン外側面(右)と前スプロケットの側面(左)の擦れの発生状況です。
前 \ 後 | 13T | 14T | 15T | 17T | 19T | 21T | 23T | 26T |
アウター52T | ○ | ○ | ○ | △ | × | × | × | × |
アウター52T(トリム) | × | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × |
インナー39T(トリム) | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × | × | × |
インナー39T | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
但し、
○ チェーンと前ディレイラーとの擦れ無し
△ 前スプロケットの一部の位相でディレイラーとの擦れ発生
× 前スプロケットの全周に亘ってディレイラーとの擦れ発生
[ ] 前スプロケットの一部の位相で歯との擦れ発生
[ ] 前スプロケットの全周に亘って歯との擦れ発生
で、インナーのトリム位置は実質的に全く必要ないので、
ディレイラーのケーブル・テンションはインナーのトリム位置を無視できます。
つまり、ケーブル・テンションは専らアウタートリム位置の調整に使える状況です。
上表は、ケーブル・テンションを高めにし、
アウターのトリム位置が非トリム位置に近付くように調節した結果です。
ここからケーブル・テンションを落とすとアウター・トリムでの
ギヤ選択可能範囲がロー側にずれてしまいます。
なお、このギヤ選択可能範囲の広さはフロント・ディレイラーの
ガイドプレートの形状とも関係が有ります。現在使っているFD-3400は
上部前方にこのようなプレス加工が為されていて
ガイドプレート内面幅が狭められているので、
ガイドプレート内面幅が狭められているので、
アウター時はチェーンと擦れやすく、こまめなトリム操作を要求します。
この位置のプレス加工は一世代以上前のフロント・ディレイラー群
(FD-2200, FD-3300, FD-4400, FD-5500, FD-6600, FD-7800)には無かったので、
それらの旧製品の方がアウターでのトリムが不要な範囲が広かったと考えられます。
(FD-3400の次の世代ではプレス形状が洗練されているようです。)
ちなみに、FD-3400のガイド・プレート内面間隔は
上部前方 9.5mm以前使っていたFD-2200は
下部後方 14.0mm
上部前方 10.0mmでした。
下部後方 12.0mm
(上部前方/下部後方はそれぞれ、
チェーンがアウター/インナースプロケットに
掛かっている時に対応する高さ。)
インナー時(下部後方)でFD-3400の方がゆとりが大きい事が分かります。
実際、以前のFD-2200ではインナー側のトリムを頻用していましたが、
FD-3400に替えた現在では全く使っていません。
赤背景と黄背景で示した、チェーン内側面とスプロケットの歯の側面の擦れは、
前スプロケットの上側のみについて表現しています。
スプロケット下側では、後ろディレイラーのプーリーが前に移動して
チェーンラインが上側より急角度になる場合が有る為、
表よりも広い範囲で擦れが発生します。
インナー×トップではリア・ディレイラーの
アイドラー・プーリー(下側のプーリー)が後退しますが、
アイドラー・プーリー(下側のプーリー)が後退しますが、
アウター×ローでは前進し、下側のチェーンは
前スプロケットから後ろプーリーまでの距離が近くなり
前スプロケットから後ろプーリーまでの距離が近くなり
チェーンラインの角度が上側より急になります
その結果、前スプロケットの歯の側面(写真は外側)が摩耗します
この擦れはチェーンを適正長より長くすれば低減できます。
また、上側の擦れも下側の擦れも、
8速チェーンから幅の狭い10速チェーンに交換すれば
擦れ発生範囲は狭まると予想できます。
今使っているチェーンが摩耗したら10速チェーンを試してみようと思います。
なお、以前使っていた50/34のクランクセットは
一時期50/42に組み換えて使用していたのですが、
その構成ではインナー×トップでもチェーン外側面と
スプロケット側面の擦れは発生しませんでした。
前スプロケットは根元に近付くほど板厚が増すので、
内外の歯数差が大きいとチェーンとの擦れが発生する範囲が
広がる事が分かります。
2013年6月27日追記
クランクアームとディレイラーのアウターケージプレートの関係
105のHollowtech IIのクランクアームは、
幅の狭い10速用のフロントディレイラーと組み合わせて使う前提で
ギリギリまでQファクターを詰めていますから、
少し幅の広い9速用のフロントディレイラーと組み合わせると、
クランクアームの内側とディレイラーケージが接触する事が有ります。
具体的には、
フロントディレイラーの取り付けヨー角度がずれているとか、
アウター×トップ時のチェーンとケージのクリアランスを大きく取ると、
ケージとクランクアームと接触してしまう事が有ります。
このため、セッティングは、
- チェーン
- ディレイラーケージ
- クランクアーム
私の場合、クランクアームとケージの隙間が
最も狭い箇所で0.5mmになるまで追い込みましたが、
アウター×トップではケージとチェーンが僅かに擦れてしまいます。
(実走時のみ。メンテ台の上ではケージとチェーンの間に
0.8mmほどクリアランスが取れています。)