2012年12月8日土曜日

車での避難は禁止と言うけれど

昨日の東北・関東の地震で、
避難者の車により道路が大渋滞したと各紙が報じています。
東京でも2011年3月11日は道路交通網が麻痺しました。

主な幹線道路は緊急輸送道路に指定されており、
災害発生時は一般車の通行が禁止されるそうですが、
裏道も含めて全ての道路がクリアされていないと意味が無いのでは
と思ってちょっと調べてみました。




今回初めて知りましたが、東京都では車での避難を禁じた条例が
2000年の時点で既に公布されていたんですね。

(更に、ほぼ同じ内容の古い条例が昭和から既に在ったようです。)


東京都震災対策条例
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010173001.html

(車両による避難の禁止)

第51条 > 第1項
都民は、震災時に避難するときは、路上の混乱と危険を防止するため、
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第八号の
車両(以下「車両」という。)を使用してはならない。

第51条 > 第2項
震災時に走行中の車両の運転者は、
当該震災時に行われる交通規制を遵守しなければならない。

緊急輸送道路の通行制限云々以前に、車での避難が禁止されていたんですね。
ここで気になるのが、使用が禁じられている「車両」の定義です。


道路交通法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html

(定義)

第2条 > 第1項 > 第8号
車両」 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。

第2条 > 第1項 > 第11号
軽車両」 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、
又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車
(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、
歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。

という事は、地震の時に自転車で避難するのも条例違反という事ですね。
全然知らなかった。


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3.11の地震発生当時、私が居た場所は特に危険は無かったので
避難する必要な無かったのですが、早めに帰った方が良いという
周囲の助言を受けて自転車で帰宅しました。

そして都心で思いっきり渋滞に嵌まる。
間違った判断でした。


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でも、もし急いで避難する必要が生じたら、
私は条例を無視して自転車で逃げると思います。

交通事故のリスクは徒歩より高まるかもしれませんが、
図体のでかい車で道路空間を占有したり
可燃性の高い液体を大量に抱え込むよりは
合成の誤謬の度合いが低いでしょう。

厳冬期でも自転車なら息を切らさずに一定の運動強度を
維持できるので移動中に凍える事が有りませんし、
何より、逃げる速度と距離が徒歩とは段違いです。

というか条例自体、車と自転車の性質の違いを真剣に検討して、
それぞれのリスクを評価した上で導いた結論なんですかね?