寧ろカメラの性能低下に繋がると言われています。
性能低下については、私は技術的な知識が無く、
また同一の構成で画素数だけが異なる二台のカメラ
というものが存在しないので、ここでは議論を避けます。
しかし前者の「無駄である」という点については
私も自身の経験から全面的に同意です。
旅行にデジカメ(Ricoh CX2)を携行する場合、
私は一日に100枚から200枚くらい撮ります。
この時、記録画素数を1280*960(100万画素)に抑えると
バッテリーは丸一日余裕で持ちます。
しかしCX2で設定できる最大の3456*2592(900万画素)に
すると途中で電池切れを起こします。
(画素数が増えると、データ処理に要する消費電力が増える。)
途中でバッテリーが切れると交換作業が必要になります。
この間にシャッターチャンスを逃す可能性が有ります。
また、荷物を極力減らしたくて替えのバッテリーを
持って行かなかった場合は、
電池切れの時点でその日の撮影は終わりです。
画素数の多さは消費電力だけでなく処理時間も増やします。
データ量が多い分、画像処理やメモリー書き込みも
時間が余計に掛かり、連写速度も制限されます。
---
では、それらの問題が解決されれば
画素数は多い方が良いのでしょうか。
そうは成りません。
先の記事でも書いたとおり、私が撮影してきた写真の
93%は1280*960(130万画素)です。これは、
印刷はせず、時々webに載せるだけという利用目的には充分な大きさだからです。
また、ファイルサイズの問題も有ります。
1280*960で撮影した写真の典型的なファイルサイズは400KB強ですが、
3456*2592では2~3MB強に膨れ上がります。
私は今のカメラを使い始めてから4年間で42021枚撮りましたが、
これが全て3456*2592だった場合、84~126GBものディスク容量を
占有していた事になります。(全て1280*960なら16GB)
現在は外付けハードディスクのギガバイト単価も4円を切っていますから、
100GBや200GBでは費用面の負担は然程大きくありませんが、
データをバックアップしたり移動したりする際に
処理時間が余計に掛かる事も忘れてはいけません。
ディスク容量の面だけでなく、画像編集の際にも
大き過ぎるファイルサイズは厄介です。
undo/redoを何十回、何百回と繰り返す作業では、
元画像の大きさが端的に消費メモリー量に反映され、
パソコンの動作が一気に重くなってしまいます。
(使っているノートが6, 7年前のWindowsXPモデルなので。)
---
以上から、私は多過ぎる画素数は無駄だと感じています。
コンパクトデジカメ業界、特にお手軽モデルのラインナップでは
依然として画素数戦争が続いていて、画素数は際限無く増えているようですが、
撮像素子の大きさは、高級機を除けば停滞したままです。
もうそろそろ、メーカー都合の不毛な戦いに
終止符が打たれても良いのではないでしょうか。
---
妄想
一画素当たりの面積が大きくなるほど、
- ノイズが減る
- 感度が上がる
- 像が明確になる
- ダイナミックレンジが広がる
では、私が望むスペックでイメージセンサーを作ると
一画素当たりの面積はどのくらいになるのでしょうか。
冒頭で「議論を避ける」とか言っておいて何ですが、考えてみました。
例えば、コンパクトデジカメで一般的な1/2.3型の撮像素子に
300万画素だけ載せた場合、一画素当たりの面積は9.51μm^2になり、
1型素子を採用したSonyの高級コンパクトデジカメ、
RX100の5.56μm^2を軽く凌駕しています。
更に禁欲的な100万画素を考えると、
一画素の面積は実に28.52μm^2にもなります。
これはAPS-Cサイズの素子を搭載した
1600万画素のミラーレス一眼を超える水準です。
それでいて、素子サイズのおかげで
望遠レンズも極めて軽く小さく作れる……。
これは欲しくなります。
(ちなみに、現在市場に溢れている、1/2.3型に1600万画素を詰め込んだ
無節操なコンパクトデジカメどもは1.70μm^2で、
iPhone4Sの内蔵カメラにさえ及びません。)
そうそう、ヨドバシカメラの店員さんに聞いたところ、
一画素当たりの面積を気にする人は来店客の数%程度だそうです。
メーカーを動かすにはまだまだ小さな数字ですね。
価格com辺りが画素面積(や画素ピッチ)を検索項目に加えて
これで検索結果を並べ替えられるようにすれば少しは変わるかな?