2年間メンテナンスせずに乗ってきたホイールの振れを取りました。
波打つリムが徐々に鎮まり、乱れがゼロに収束して真円に至る過程を見ていると、
写経をしている時のような(した事は有りませんが)、宗教的な気分になります。
一年の活動を終え、静かに新年を待つ大晦日に
これほど相応しい作業も無いでしょう。
あ、折角なので工具のレビューも。
LIFU ニップル回し 480円
工具にはニップルを回す部分が八箇所有り、それぞれの番号と実測幅は
#10 (5.0mm)で、内、#14と#15が二つずつあり、#15は二箇所で寸法が異なっていました。
#11 (4.4mm)
#12 (4.0mm)
#13 (3.75mm)
#14 (3.55mm, 3.55mm)
#15 (3.35mm, 3.2mm)
工具一つで複数の種類のニップルに対応できるのは良いのですが、
作業中は工具を持ち直す度に正しい番号の口を選び出さないといけないので、
あまり作業効率が上がりません。
ニップルの寸法が分かっているなら、
その寸法一つだけに対応した工具の方が良いでしょう。
工具の材質はクロモリ鋼です。店頭に陳列されていた期間が長かったからか、
薄っすら赤錆が浮いていましたが、KURE 5-56で簡単に落とせました。
念のため、作業後は毎回グリスを塗布しています。
(作業時に前回塗ったグリスが落ちてしまうので。)
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振れ取り作業について
今回はタイヤを付けたまま作業する事にしたので、
左右の振れのみを修正対象にします。
ニップルは二年間放置していたので固着しているだろうと思い、
スポークとニップル、ニップルとリムのそれぞれの隙間に
面相筆で5-56を滲み込ませておきました。
振れ取り台は持っていないので、自転車のフレームを使い、
ブレーキシューを目安にする事にしました。
ブレーキアーチのセンターずれの有無は、
ホイールを左右反転してフレームにセットすれば分かります。
スプロケット付きの後輪も特に干渉無く左右反転できます。
殆どのニップルは5-56のおかげでスルスル回りましたが、
それでも一部のニップルは動きが渋く感じました。
ただ、工具の直径が40mm有り、そこそこ梃子が効くので、
今回にように既に組み上がっているホイールの
振れ取り程度なら指への負担は無視できます。
振れが小さくなってくる終盤ではブレーキシューに加え、
指先の爪をリムのブレーキ面に当てた時の感触も参考にしました。
計測機器が無いので精確なところは分かりませんが、
最終的に左右の振れはだいたい0.5mm以内に収まっているように見えます。