2013年6月24日月曜日

交差点の設計ミス(9)

浅草・雷門の近くにも欠陥交差点が有りました。




雷門一丁目交差点

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都道462号を南下していくと、
この交差点の手前で第1通行帯が左折専用レーンになります。
そして、左折レーンだけが先行して青信号になります。

これは、交差点に東から接続している雷門通りからの
右折車両が流れている時間を有効活用しようとしたものと思われます。
有名観光地ですから、実際、462号から多くのタクシーが
このスプリットの間に雷門方面へ左折していきます。

で、交差点を北から南へ直進しようとする自転車が、
道交法の原則通りに第一通行帯で信号待ちをしていると、
後続車が横スレスレを追い抜いていく事になります。

並行する歩道上には自転車通行帯らしきもの(2m幅)が、
舗装ブロックの淡い色分けで微かに示されていますが、
まあ、歩道ですから出せる速度はせいぜい7~8km/hです。



こんなのは自転車走行環境とは言えません。



さて、これだけなら、
良く有る欠陥交差点の一つに過ぎないのですが、
浅草には人力車という特殊な要素が有ります。

人力車は道路交通法上、「軽車両」に分類されますが、
「普通自転車」ではないので、歩道上を通行する事はできません。

また、自動二輪車や自転車は降りて押せば歩行者扱いになるという規定が
有りますが(道交法2条3項)、その例外規定に人力車は含まれません。

で、浅草周辺に行くと人力車が車道を走っています。本当に。
自動車の速度がかなり高い幹線道路でも同様です。
車夫も凄いですが、新旧の時代の入り乱れっぷりも凄いです。

さて、その人力車が、この雷門一丁目交差点を
直進しようとした場合、どうなるか。

自転車と違って車体幅がかなり有りますから、
車道の左端に寄っても後続車の進路を塞いでしまいますし、
かといって歩道を通行する事もできません。

おお、これは20条の例外規定
車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、
道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。

(中略)

道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、
前二項の規定によらないことができる。
がクリアに適用される状況ですね。
こんなに反証可能性の無い「やむを得ない」も珍しい。

でも、現実に人力車が第2通行帯を走れるかな……。
興味の有る人は車夫に頼んで……いや、さすがに無謀すぎるか。