ランナーと歩行者の接触事故が最も多い代官町通り。
千代田区が設置した委員会は対策として
マナー呼び掛けと追い越し禁止の方針をまとめましたが、
問題の根本的な解決になっていませんし、
ランニングコースとしての魅力を殺いでいます。
真に魅力ある都市を目指すのであれば、
道路の空間配分を抜本的に見直す必要が有ります。
その改善イメージを作りました。
現状の断面構成
(Streetmix で作成)
反時計回りで周回するランナーの視点で描きました。
道路全体の幅員は約13.5mです。ランナーにも自転車にも
安全・快適に通行できる空間が有りません。
(代官町通りは区間によって幅員が変わります。
上の図は特に狭い箇所の例です。)
再構成のイメージ
車道を全て人の手に取り戻して、
内側(皇居側)の3.7mをランナー用のトラックに、
外側を双方向通行の自転車道にしています。
私自身はランニングしていないので
いまいち確信が持てませんが、
ランナー用トラックをこれだけ確保すれば
思う存分自分のペースで走れるのではないでしょうか。
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さて、代官町通りの東端の交差点はどう処理すれば良いか。
変則度の高い交差点
(Google Maps より。以降の画像も同じ。)
(Google Maps より。以降の画像も同じ。)
西向き車線は第1、第2レーンが首都高に入る車用で、
自転車の通行を全く考慮していません。
この為、交差点での長時間の足止めを嫌って
第3レーンを走るサイクリストもいます。
この問題も同時に解決する必要が有ります。
まずランナー専用トラックを設置(黄色)
反時計回りのランナー視点で左端に当たる車線を
まるごと潰し、ランナー専用トラックにします。
首都高に入る車と動線が交差して危険なので、
この代官町入口は思い切って廃止します。
元から設計に無理が有ったんです。これは仕方ないでしょう。
次に第2レーンを潰して自転車道に(水色)
自転車が安全に通行できる空間も有りませんでしたから、
これも同時に整備します。西向きの一方通行を想定していますが、
自転車同士が安全に追い越しするには、やはり元の車線を
まるごと一つ転用する必要が有ります。
首都高入口の横手には植栽の中央分離帯が有りますが、
ここは潔く潰して通行空間にします。
元から有った車用の直進レーンを右折レーンに(ピンク色)
代官町通りを完全に自動車通行禁止にするので、
この交差点では右折しかできないようにします。
右折の曲線半径をかなり小さくした理由は後で説明します。
反対方向の車線を引き直す
ここでも植栽の交通島を一部潰して、急曲線で曲げています。
この理由も後で説明します。
東向きの自転車道を引く
車道を急カーブで曲げたのは、自転車道と車道の
交差角度をできるだけ直角に近付ける為です。
ドライバーとサイクリストが互いを見落とさないようにする工夫です。
車の速度を落とさせる急カーブも
衝突事故のリスク低減効果が期待できます。
車道と交差した後の東向きの自転車道は、
無駄な湾曲を避ける為に植栽を一部抉り込んで
滑らかなカーブで繋げています。
首都高出口を接続
現状ではこの出口から出てきた車はどの方向にも曲がれますが、
改良後の構造では自転車道との交差箇所で
自転車を見落とすリスクが高くなりすぎるので、
左折しかできないように変更しています。
最後に、余った道路空間を交通島(芝生)で埋めて完成
車依存から脱却し、ランニング文化も盛り上げようというなら、
これくらい大胆な事をやって欲しいですね。
なお、首都高入口は皇族の車移動に使えるように
一車線分だけ残してあります。
2014年5月21日追記
思い違いをしていました。代官町通りの車道を封鎖すると、
竹橋から乾門までの区間でも通過交通を排除する事になるんですね。
つまり、車には北の丸公園の北側、靖国神社方面に迂回させると。
上の交差点案は間違いでした。