あれこれ書いてあるのを読んで、
上着と肌着、和装と洋装の歴史的な関係を連想しました。
明治・大正時代の書生の服は
内側に西洋のシャツ、外側に日本の長着を重ねていますが、
飛鳥、奈良、平安時代の貴族の服は
内側に日本の衣(きぬ)、外側に大陸の袍という事で、
舶来モノと国内モノの位置関係がちょうど逆転しています。
文化ハイブリッドな服装という点では同じですが、
より肌(精神、魂)に近い側に何を持ってくるか(*)という点では、
書生の服装は日本の服飾史の上でも象徴的な存在ですね。
* スポーツウェアでも一番重要なのはベースレイヤー。
ちなみに上に挙げた服は襟の形状で綺麗に分類できます。
V襟 | 丸襟(盤領) | |
中古 | 衣(きぬ) | 袍(ほう) |
近代 | 長着 | スタンドカラーシャツ |
襟の形状に注目すると、平安装束と書生服の
鏡像的な関係が良く分かるでしょう。
(平安時代初期までは袍の襟刳りが小さかったので
内側の衣の襟は隠れて見えませんでしたが、
その後は日本の気候に合わせて襟刳りが大型化したので、
書生服と対比するにはちょうど良いですね。)