2014年3月12日水曜日

英語母音の過剰修正——raw, detail, toe

「JPEG」は読めるけど、
「RAW」は、はて、どう読むんだったっけ。



キャノンの一眼レフ、EOS M2 の仕様一覧を見ていたら、
記録画素数の欄に

RAW(ロウ)

と書かれていました。
日本語の音韻体系でごっちゃになりやすい
急所を突かれてしまいましたね。

日本語の音韻規則
/ou/ → [oː]
(文字の上では「おう」でも実際の発音は「おー」になる。)

英語での音素表記は /rɔː/ なので、これをカタカナ表記に写すと

RAW(ロー)

です。ただ、アメリカ英語の場合は /ɔ/ の開口度が高く、
殆ど /ɑ/ と同じになっている人もいるので、その場合は

RAW(ラー)

の方が近いですね。


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似たような過剰修正の例で、

ディテール

というのも良く見掛けます。
理系、オタク系の人が良く使っているという印象が有ります。
(私もオタク系ですが。)

元の発音は /dɪˈteɪl/ と /ˈdiːˌteɪl/ の二種類が有って、
聴覚印象への忠実度が高い順にカナ表記の例を並べるなら、
前者は
  • ディテイオ
  • ディテーオ
  • ディテイル
  • ディテール
後者は
  • ディーテイオ
  • ディーテーオ
  • ディーテイル
  • ディーテール
といった辺りでしょうか。
ちなみに、「ディティール」という過剰修正が生じた背景には、
  1. 「テイ」という表記を誰かが見た。
  2. 「テイ」より「ティ」の方が本物っぽいと判断した。
  3. 「ディテール」という表記も有るので「ー」を加えた。
  4. 「ディティール」のできあがり!
のような流れが有ったのではないかと思います。
同じ事が

トゥー(toe)

にも言えます。(本来のカナ表記は「トウ」か「トー」)
まったく、辞書で発音記号を調べもしないで
間違った表記をする奴らが

トゥー・メニー(too many)

だぜ。


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でも、最近の小学生は音から英語に入っていて
発音が超絶に上手いので、こんな凡ミスは
二、三十年後には日本から消えているかもしれません。