2013年3月8日金曜日

交差点の設計ミス(8)

今回は東京都板橋区の志村坂下交差点を取り上げます。
中山道(国道17号線)と高島通り(都道446号)の交差点です。





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自転車で中山道の車道部分を北上して当該交差点を直進する場合、
第一通行帯が左折専用レーンで、且つ左折のみ先に青信号になります。

この時、高島通りから中山道へ右折車が流れるので、
第一通行帯から交差点を直進する事は不可能です。

歩道に退避する事もできますが、注意しないと
前輪タイヤが縁石に鋭角で乗り上げる事になり、
転倒の恐れが生じます。

また、横断歩道で交差点を通過した場合、
再び車の流れに乗りなおす必要が有るので、
ここでも余計なリスクが生じます。


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直進専用レーンの第二通行帯に移っておけば
交差点を直線的に通過できますが、
この付近は車の通行が多く、速度も高いので、

車線変更禁止区間に入るよりも
遥か手前で車線変更を完了しておかないと
直進レーンの車に合流するのは困難です。

車線変更は当該交差点の一つ手前の、
車線数が片側2から3に変わる境目になっている
信号付きの交差点で済ませておくと簡単です。

(下の地図では信号機の記号が表示されていません。)


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二つの交差点の間は約250mです。
初見で車線変更の判断をするのは難しいでしょう。


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全体的な印象として、この近辺の道路構造は
自転車が車道を走る事を全く考慮していません。

エンジン・モーター付きの車両以外を
徹底して車道から排除していますね。

私はこうした思想に基づいて設計された道路を
「地上の高速道路」と呼んでいます。

その最大の問題点は、
自転車を低速度の交通モードに分類して
歩道に押し込めてしまう事で、

(ママチャリ以外の)自転車が本来持っている
高速走行性能を安全に発揮できる環境が整備されない事です。

それが間接的に、乗用車への過度な依存や、
自転車を差し置いての超小型車の普及促進に繋がっているようですね。
一日でせいぜい20~30kmしか利用しないなら自転車で良いのに。