2013年3月14日木曜日

ホイールの剛性にまつわる誤解

自転車ホイールの剛性について、
綺麗な図を交えて分かりやすく解説した記事が有りました。

Debunking Wheel Stiffness (2013年3月8日)





「剛性」の方向(絞り方向、放射方向、横方向)の区別から始まり、
剛性に関与するスポークやリムの要因の列挙、
リムがブレーキ・パッドを擦るという現象についての誤解、
そして完組みホイール業界の歪んだ体質などについて
平易に纏めています。


中でも面白かったのが、
剛性の高いカーボン・リムでは
却ってブレーキ・パッドを擦りやすい
という部分。


スプリントを掛けて車体を大きく左右に振ると
ホイールには路面から横方向の負荷が掛かってリムが変形し、
ブレーキ・パッドを擦る事が有りますが、
普通はこれを指して「剛性が低い」と評価するようですね。

(私自身はそんなに力が出ないので無縁な話ですが。)

しかし記事では、剛性の低いアルミ・リムでは
ホイール全体がポテトチップスのように変形するので、
路面(負荷入力点)側で大きく歪んでいても、
路面と反対の上側ではリムの左右変位量は意外と小さく、
ブレーキパッドを擦りにくいと指摘しています。

一方、剛性の高いカーボン・リムでは
リム全体が一枚の硬い板のように振る舞うので、
結果的に、路面と反対側のブレーキ・パッドの辺りで
左右の振れが大きくなってしまうと指摘しています。
(その対処法として、スポーク本数を増やす事が有効だとも。)



この他、コメント欄にも手組み職人が集まって議論が盛り上がっています。
中には、実際の走行中に後輪の横振れを映像に捉えた人もいました。