自転車の通行位置を示す青い矢印の路面標示が施工されていました。
2013年3月7日追記 翌日にも様子を見てきました。
この事例については既に報道もされており、
現在は工事中だが、来週にも正式運用が開始される
そうなので、とりあえず未完成のものとして、
現状見られる問題点を挙げていきます。
まず地図を確認しておきます。
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北西から南東の白山通りに
北東から南西の不忍通りが交差しています。
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南西の不忍通りから交差点を望む。
青い矢印が左斜め前方に伸びています。
(車道と並行な横断歩道のゼブラ帯と角度がズレている。)
これは、交差点を渡った先がバス停で拡幅されており、
車道の左端が同一線上に無い為です。
この拡幅部分には、写真のミキサー車のように路上駐車が見られる事が多く、
青い矢印に沿って進むと、交差点を渡った直後に進路を塞がれます。
すると、第一通行帯の車の流れに乗り直す必要が生じ、新たなリスクとなります。
私はこのリスクを避けるために車と同じ動線で交差点を通過する事が多く、
動線は青い矢印よりもかなり右になります。
交差点から北西の白山通りを望む。
さっそく路上駐車が自転車レーンを塞いでいます。
これはもう、ドライバーのヒトとしての本能的な行動だと捉えた方が良いでしょう。
自転車行政の問題を訴えてきた疋田智氏は著書などで
- 車道に線を引くだけで良い
- 路上駐車は悪
こうした思想で設置された自転車レーンは
現実問題として、路駐に塞がれがちです。
やはり縁石や柵による分離は必要です。
バス停部分。特に工夫は見られません。
他にも路上駐車が見られます。
写真の自転車は水色の線で示した軌跡で走行しました。
ここから三つの課題が読み取れます。
- 自転車レーンを通行してきた他の自転車との側面衝突リスク
- 停止線の無視(信号は赤です)
- 横断歩道による横断(形式的には逆走です)
脇道から進入してくる車のドライバーからは、
車道の左端に貼り付いた狭い自転車レーンの自転車が
死角に入る場合も想定できます。
自転車レーンの幅員がもっと広ければ視認可能なタイミングが早まります。
バスの圧迫感がやや気になります。自転車レーンの幅員には、
こうした圧迫感を緩和する為の「捨てスペース」を、
例えば1.0mほど含めると安心して通行できるようになります。
交差点の中には破線と矢印が標示されています。
左折車がカーブの内側に近付き過ぎないように誘導し、
左折時巻き込み事故を防ぐ意図でしょう。
ですが、(車の)第一通行帯は左折・直進兼用レーンなので、
左折車は後続の直進車の邪魔にならないように
思いっきりイン側に寄せています。
信号待ちで車列が形成されている時なら、自転車レーンで
先頭まで進む事ができますが、二台目、三台目の自転車は
先に動き出した左折車に塞がれて交差点の直進は難しくなるでしょう。
車の真後ろに付いた方が安全で確実かもしれません。
また、直進自転車と左折車の動線は必然的に交差するものなので、
そのような状況を作り出す信号制御が問題と言えるかもしれません。
この自転車は赤信号の時に交差点に接近し、
停止線を越えて交差点内の角で待機しました。
法的には間違いですが、安全上の観点からは一つの正解と言えます。
青の横断歩道を渡ってきた自転車は、写真のように目的地へ
ショートカットしようとして一時的に車道を逆走する事が有ります。
写真では、車が死角となって
出会い頭衝突のリスクを生んでいる事が分かります。
停止線は自転車が少し前にずれています。
オフセット量はだいたい1mくらいでしょうか。
先頭に停車した自転車ならフロントピラーの死角に入らずに済むでしょう。
二台目以降はどうなるのかな?
横断歩道の自転車横断帯は消されていますが、
まだ歩道上に名残りが有ります。
さて、実際の自転車の通行位置ですが、
このように青い矢印に沿って通行する自転車もいました。
画面右奥の自転車は横断歩道を渡っています。
短時間の観察ですが、大半の自転車は横断歩道を渡っていました。
また、交差点の前後でもずっと歩道を通行する自転車が多数派でした。
(この付近の白山通りの歩道はかなり幅員が広い。)
ただ、通勤時間帯であれば、車道走行に慣れた自転車が
青の矢印に沿って走るようになるかもしれません。
北東の不忍通りから交差点を望む。
矢印の中心線が対岸の歩道の縁石にぶち当たっています。
道路交通法第18条では
軽車両にあつては道路の左側端に寄つてと言いますが、本当に文字通り左端ですね。
左手の歩道から歩行者や他の自転車が飛び出してきたら
回避できません。速度にもよりますが、
縁石からは1.0m程度離れて走るのが正解です。
この交差点の直後にはバス停による拡幅部分が有り、
その絶妙な広さが路上駐車を誘発しています。
ここでも路上駐車はほぼ常態化しているので、青い矢印に沿って
車道の左端を通行しても、結局は右に回避する事になります。
ここを通行する車の大半は、路駐で第一通行帯が
塞がっている事を知っているので、予め第二通行帯に移っています。
しかし、路駐車両と第二通行帯の車の間には、普通乗用車なら
ギリギリ通過できる余裕が有り、完全なボトルネックというわけでもありません。
このため、第二通行帯が渋滞している状況では、
路駐と第二通行帯の間をすり抜ける動機が生じます。
この時、自転車が路駐を回避しようと不意に右に膨らむと、
(渋滞が我慢できないせっかちな)後続車に追突される恐れが有ります。
予め第一通行帯の中央ないし右端を走っていれば
このリスクは回避できます。
(これは現在の道交法で完全に適法な措置でもあります。)
乗用車の先にもダンプが路駐していました。
交差点から南東の白山通りを望む。
自転車専用である事を示す標識が立てられていますが、
タクシーが客の乗降で車道左端に付けていました。
やはり、路面のペイントだけではこうした行動を抑制できません。
縁石やポール、柵などの物理的な区分は必要でしょう。
片側三車線も有るので、できない相談ではありません。
写真から自転車レーンの幅員を大まかに見積もりました。
この地点では約1.5mのようです。
その先にもトラックが路駐しています。
今後、自転車レーン部分は青色に塗装するのかもしれませんが、
それが路駐の抑制に無効である事は幡ヶ谷や西葛西の事例で既に分かっています。
東京都渋谷区幡ヶ谷の自転車レーン。
青にペイントされた自転車レーンを路上駐車の車が塞いでいる。
東京都江戸川区西葛西の自転車レーン。
ピクトグラム付きで自転車レーンである事が明示されているが、
路上駐車で塞がれている。