安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(PDF)
を読みました。
問題点が無いか1ページずつ見ていきます。
以下、ページ番号はPDFファイル上の番号基準です。
紙面のノンブルとは一致していません。
p.59
パーキング・メーター等について、利用率が低い場合は、
撤去するものとする。周辺に路外駐車場の整備が進んだ場合等は、
自転車通行空間を確保するため、撤去の必要性を検討するものとする。
「利用率の高低に関わらず撤去」を原則にはしないのでしょうか。
駐車場が有れば車での移動需要が生まれます。
それでは車依存から脱却できません。
国交省の姿勢はどうも八方美人の感が否めませんね。
環境問題を考えれば、自転車の通行空間整備は
車向けインフラの縮小と表裏一体になる筈ですが。
p.59
パーキング・メーター等が必要な区間の自転車道は、
歩道側に設置するものとする。
横断防止柵により横断する位置を集約することも考えられる。
駐車枠の幅が1.7~2.5mと書かれています。
という事は、駐車する車の車体幅とほぼ同じです。
この場合、歩道側のドアが開くと自転車道を部分的に塞ぎ、
自転車と衝突するリスクが有ります。
これを防止する為、自転車道と駐車枠の間に柵を設置する必要が有ります。
図II-19では「設置が考えられる」となっていますが、設置は義務的です。
また、その柵の高さは、ダンプカーなどドアが高い位置に有る車両も考慮すると、
1.2~1.5m程度は必要になるでしょう。
でなければ、開くドアの幅を考慮して駐車枠を車道中心側へ
1.0mほどずらす事も考えられます。
p.59
駐車スペースと自転車専用通行帯との間は、
駐車車両のドアの開閉時の接触を避けるため、
余裕幅を確保することが望ましい。
「余裕幅」と言いつつ、その値を明示していません。
最低でも1.0mほどは必要でしょう。
また、一案として、駐車枠の四角形の路面表示に
建築平面図の開き戸のように
ドアの形を書き加える事も考えられます。
可視化すればリスクの存在が市民に広く共有されます。