カタログ上の数値での不毛な戦いが長々と続いてきました。
そんな戦いに巻き込まれた哀れな一兵士の姿を直視してみましょうか。
リコーが2009年9月に発売したCX2で撮影した山の風景です。
クリックで拡大できます。撮影時の設定は
- 露光時間 1/90
- F値 f/4.9
- ISO 80
- 記録画素数 3456*2492 (設定可能な上限値)
このブログでは仕様上、
幅または高さが1600ピクセルを超える画像を扱えないようなので、
上記画像は25%(864*648)に縮小してあります。
さて、元々の画像の中央を等倍で切り取ると、
こうなっています。
木々の葉の細部がベタッと潰れています。
このままでは、どうにも手の施しようが有りません。
少なくともこの50%まで縮小しないと、見るに耐えない画質です。
本来の実力の何倍もの画素数を盛っている疑惑。
画面の中で明暗差や色相差が大きな部分は
カメラ内部のソフトウェアで補正してシャープに見せられるので、
どんな場合でも高画素が丸っきり無意味というわけでは有りません。
しかし、イメージセンサーの面積に相応しい画素数にしておけば
もっと良い画質が得られていたかもしれません。
CX2は、イメージセンサーが1/2.3型CMOS、総画素数が約1029万画素なので、
1ピクセル辺りの面積は2.77μm^2、正方形なら、一辺1.66μmです。
(裏面照射型CMOSではないので、受光面積はもう少し狭いでしょう。)
0.1μmを1ピクセルで表わすと2.77μm^2は
こうです。
ミラーレス一眼で一般的なAPS-Cではどうでしょうか。
23.6*15.6mmのセンサーに1603万画素を盛ると、
1ピクセル辺り22.59μm^2で、正方形なら一辺は4.75μmです。
仮にCX2の1/2.3型に、慎ましく100万画素だけ入れていれば、
このようにミラーレス一眼を僅かに上回る面積を確保できたのですが、
CXシリーズの後継機で画素数を削減する気配は無く、
それどころかシリーズ6代目を最後に後継機が途切れてしまいました。
入門機種には見切りを付けてしまったのでしょうか。
なんだか、中途半端に課題を残したまま投げ出したように見えます。