2013年3月3日日曜日

原子力業界の専門用語

原発業界の専門用語がニュースを通して伝わってきますが、
外来語をカタカナで置き換えただけだったり、和訳が拙かったりと、
言語感覚の狂いっぷりが露見しています。



溶け落ちたと見られるデブリ

この「デブリ」はフランス語のdebris(ドゥブリ)「破片、欠片」から。
これ、単純に「屑」とか「滓」と言って何か不都合でも有るんでしょうか。
平易な概念に何故わざわざカタカナ語を充てるのか……。

制御

「棒」ねえ……。元がcontrol rodだから間違いじゃないんですが、
もうちょっと訳語の選択が何とかならなかったんですかね。
例えば「操縦桿」の「桿(かん)」を使って制御桿とか。

ベントする

元は英語の動詞ventで、「通気孔を{付ける/開ける}」という意味。
語源はラテン語のex-(外に) + ventus(風)で、
現代英語では接頭辞が脱落しています。

これも単に「放出する」で良いような気がするんですがねえ。
「弁を開けて」という付帯的な情報も含めて一言で表現したかったのかな。


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どれもこれも、用語の案出過程で
あまり頭を働かせてないように見えます。