サイクル・スーパーハイウェイ2号線の延伸区間。
さっそく車載動画が YouTube に投稿されていました。
ロンドンらしく雨の日の撮影です。
路面の排水状況が分かって好都合ですね。
案の定、一部箇所では水浸しになっています。
全編通して感じる事ですが、路面がガタガタです。
段差に継ぎ接ぎ、マンホールにグレーチング。
滑らかな乗り心地からは程遠い。
これのどこが「スーパーハイウェイ」なんだ。
今回の目玉であるバス停のバイパス構造も、
バス停前後の屈曲が急な上、レーンの幅員も狭められているので、
自転車にとってはあまり快適な環境に見えません。
これは自転車に速度を落とさせて
横断歩行者の安全を確保しようという意図からなんでしょうが、
幅員が狭いという事は、歩行者が不意に自転車レーンに
踏み込んできたとき、回避余裕が少ないという事でもあります。
歩道とバス待ちスペースの間には1, 2ヶ所
嵩上げされている部分が有りますね。
歩行者の横断場所、兼、自転車の速度抑制バンプとして作ったんでしょうが、
健常者ならそれ以外の部分でも普通に渡ってしまうでしょう。
- サイクリストは歩行者がバンプの所で渡ると予想する。
- 歩行者は自分が渡りたい所で渡る。
このギャップが衝突事故のリスクを生みそうですね。
そんなんだったら、バンプなど最初から作らず、
どこでも簡単に横断できるようにしておいた方が良いです。
それから交差点。
自転車の停止位置が車より僅かに前方に出ていますが、
信号が青になると左折車も同時に動き出し、
自転車レーンを横切ってしまう構造は問題です。
その辺、撮影者は良く分かっていますね。
1分40秒辺りの交差点で、
敢えて停止線よりずっと手前で待機しています。
信号が青になってから交差点にやってきた自転車の視点を
シミュレートする事で、左折車と直進自転車が
ニアミスを起こし得る事を暴いています。
さて、この車載動画は最初と最後の場面で自転車レーンから離れ、
車道の立体交差(flyover)を通行しています。
投稿者のブログによれば、その立体交差の下こそが
かの悪名高いボウ・ラウンダバウト。
現在は6割以上のサイクリストが、
死亡事故の続発したその交差点を避けて
上空の立体交差を通り抜けているそうです。
ちなみに、地上を通ろうとするとこうなります(↓)
総合的に評価すると、
ロンドンの自転車インフラはまだまだお粗末。
手本にするようなレベルではなく、
試行錯誤の過程に在ると見るべきでしょう。