ですが、日本ではバングラ「ディッシュ」と
表記・発音されてしまう事がしばしば有りますね。
第2言語と言えば英語一辺倒の日本では、
ついつい英語っぽい音声に
過剰修正してしまうのでしょう。
そこで、日本人に過剰修正されにくい
カタカナ表記を考えてみました。(参考にした音声はこちら。)
- バングラデーシュ
- バングラデッシュ
1 は参考音声に最も近いと私が思うカナ表記です。
既存の表記の「デ」を「デー」に置き換え、
過剰修正に対して先手を打つ形です。
原語のベンガル語には母音の長短の区別が有りませんが、
だからといって、物理的に持続時間が長い母音が
現われないとは限りません。
日本人に聞かせれば「デー」と認識される音声も有るけど、
ネイティヴの脳内では「デ」と「デー」が一緒くたにされる
というだけの話です。
(同じ事が、日本人が無意識に発音している音声にも当て嵌まります。
外国語の音声としては習得難易度が高いドイツ語やフランス語の
[x] 無声軟口蓋摩擦音や [χ] 無声口蓋垂摩擦音でも、
〈こいつ分かってないなあ。まったく、説明が面倒だぜ〉というニュアンスで「はー」と言うと、
日本人でも自然と発音できていたりします。)
「デー」という表記では英語風に「デイ」と変形される
可能性も有りますが、日本人の過剰修正回路では
二重母音化の力がとても弱いので、その心配は不要です。
(その一例が、toe 「トー/トウ」を
「トゥー」にしてしまう過剰修正の例。)
2 は desh の発音のされよう、聞きようによっては、
こういうカナ表記も有り得るかな、という程度の候補ですが、
字面が「ディッシュ」に近いので、早晩、過剰修正に
吸収されてしまいそうですね。これは没です。
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という事で、外国語をカタカナ表記する時は、
日本人に有りがちな過剰修正のパターンも考慮して、
戦略的に表記を決めてみようという提案でした。