2013年11月4日月曜日

本当に自転車道を作れないのか

日本では自転車に詳しい専門家でさえ

日本は土地が無いから自転車道なんか作れない。
自転車道は金が掛かりすぎる。
車道の端に自転車レーンをペイントするだけで充分だ。

などと言いますが、本当にそうかな?


土地が無い

私には土地が余っているように見えるんですが……。

熊野町交差点から見た国道254号の都心方面

これ、第3レーンは要らないよね。

車道の通行帯を順繰りに右にずらして、
空いた第1レーンを丸ごと自転車道(+緩衝帯)にできそうですが……。

また、写真に写っている車にしても、半分以上がマイカーです。
これは統計にも現われています。


環状七号線の直近内側の放射道路で測定した断面交通量(pdf p.35)

都心部だけでもマイカー利用を全面禁止すれば
交通量は激減し、車道の土地はさらに余るでしょう。

今、東京の街を車で移動している人の何割が、
「絶対に車じゃないと困る」という事情を持っているんでしょうか。

私には、相当数の人間が地球環境に対して無責任な行動を
取っているように思えるんですが、違うんでしょうか。



金が掛かる

そりゃあ、路面にペイントするだけの自転車レーンよりは
自転車道の方が費用は嵩むでしょう。

ただ、費用対効果で考えた場合、単なる自転車レーンに
人々の自転車利用を促進する力が有るのか。
歩道走行という悪習を断ち切らせるだけの魅力が有るのか。

そう考えると、自転車レーンというのは
安物買いの銭失いになるかもしれません。

問題は金が無い事ではなく、
金を出す気が無い事です。

意識の問題。

自転車の実力、効用、楽しさが
市民から為政者まで浸透すれば
財布の紐も緩むんじゃないかな(希望)



自転車レーンで充分

「充分」と言いますが、いやいや、現実はこうですよ。

路上駐車に塞がれてしまう自転車レーン(札の辻交差点付近)

路上駐車に塞がれてしまう自転車レーン(霞ヶ関・東京地裁の前)

「自転車レーンなら省スペースで設置できる」とも言いますが、
省スペースという事はつまり、

バスがサイクリストの右肘を掠めていく(西葛西)

安全マージンも省スペースという事になります。

グレーチングを避けると平均台を走るかのような狭さ。

駐車スペースを道路外側に、自転車レーンを道路中心側に設置する方式が
優れていると思っている人には、この写真を見てもらいましょう。


自転車レーンの幅員の大部分が、突然開くドアで危険に曝される
「ドアゾーン」(赤色部分)と重なっています。

かといって、ドアゾーンを避ければ今度は
追い越し車との側方間隔(黄色部分)が失われる。

こんな危険なインフラを作っておいて何が自転車レーンだ!
という批判です。

日本でも自転車で車道を走る人が増えてくれば、
  • 幹線道路
  • 路上駐車が発生する道路
  • 安全マージンが不足する道路
といった環境では、
「自転車レーンでは危険だ」
「やっぱり自転車道を作っておけば良かった」
となるでしょう。


だったら今から作ろうよ。



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