路上駐車需要が存在する道路に
自転車レーンを引いてもこうなるのが現実
自転車レーンを引いてもこうなるのが現実
3回シリーズの記事です。
1回目は単路部分の問題点を指摘します。
自転車専用の標識が街路樹で隠れている
路面の青いペイントや「自転車専用」の文字もそうですが、
誰も気にしてませんね。
車道の端以外では乗り降りも荷卸しもできないので当然ですが。
構造そのものに手を付けないで
小手先の対処で済ませようとすると、
このように余計な問題を生んでしまいます。
路上駐車を回避する自転車と車の挙動
対向車線にほぼ完全にはみ出す車
このサイクリストはちゃんとドアゾーンを意識しているようです。
運転席側のドアが突然開いてもぶつからないように、
0.7mほどの側方間隔を確保していますね。
安全マージンとしてはちょっと不足してますが。
それを追い越す車も自転車から1mほどの間隔を取っています。
この場面では、いずれの交通参加者も
そこそこ適切なリスク回避ができていますが、
「いつでも誰でもそれを実行できて当然」などと考えてはいけません。
ヒトの注意力に依存するシステムは脆弱です。
逆走自転車
車道上ですが逆走自転車が発生していました。
直感的に理解できる矢印の路面標示が無い事も一因かもしれません。
停車中のバスを追い越せてしまう構造が事故リスクを生んでいる
対向車線に停車中のバスを後続車が追い越すという、
よくある場面ですが、この時、こちら側の車線で
トラックと自転車が並走していたらどうなるでしょうか。
対向車線に気を取られたトラックのドライバーが
左に急ハンドルを切れば自転車は撥ねられます。
このような場面では多方向に同時に注意を
振り向けなければならないので、
認知エラーが非常に起こりやすくなります。
事故を起こすなと言う方が無理です。
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車が交差点ではない場所で右折しようとして
車道の中央寄りに止まった場合も似たリスクが生じます。
9.0m幅の車道では片側4.5mですから、
中央で右折待機している車の左側には、
車一台がギリギリすり抜けられる空間が生まれます。
後続車がそれを見て反射的に左にハンドルを切れば、
車道の左端の自転車を撥ね飛ばす事になります。
このパターンの事故リスクは
以下のような条件が重なると高まります:
- 右折車の後続車が不充分な車間距離で追走していた。
- 右折車が優柔不断で、ウィンカーを出すなどの操作が遅れた。
- 後続車のドライバーが動作先行型で、安全確認を後回しにするタイプだった。
- 自転車が車道の端に寄り過ぎており、後続車の中心視野から外れていた。
区分線ギリギリを通過する路線バス
自転車レーンの青色にペイントされた部分の幅は
0.9mしかありません。非常に狭いです。
音も無く接近してきたバスに横スレスレを追い越されると
うぉ、あっぶね!と、かなりビックリします。
(現代のバスはエンジンを車体後部に搭載しているので、
車体前方にはエンジン音が殆ど漏れません。これは致命的な欠陥です。
この点ではボンネットバスの方が遥かに優れていました。)
東京都建設局から出ている
『旧玉川水道道路における自転車レーンの整備効果』の
アンケート結果(p.2)でも、バス事業者は否定的な意見を示しています。
車線の幅を狭い・やや狭いと感じる
バス事業者……83%
道路の側が対応できていないのに
無闇矢鱈とバス車体を大型化してきたひずみが噴出した形です。
充分な安全マージンを考慮するなら、
現状の水道道路で受け入れ可能な車体サイズは
ハチ公バスの日野ポンチョくらいまででしょう。
(ちなみに、嘗て東京中を走り回っていた都電が廃止された背景には、
バス車体の大型化と定員増によって、路面電車とバスの
人件費の差が縮まった事も有ります。)
2015年3月12日追記{
上の『整備効果』p.1に拠れば、自転車レーンを通行した自転車の割合は32%(6:00〜20:00)、朝のラッシュ時間帯(7:00〜10:00)に限っても52%止まりですです。
}
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