2014年7月13日日曜日

笹塚・幡ヶ谷の自転車レーン (3)

Streetmixによる横断面構成図

3回シリーズの記事。最後は改善提案です。



まずは都道431号が東京の道路網の中で
どのような立ち位置に在るのかを確認しておきましょう。

都道431号(ピンク色の線)
Google Maps の地図画像を加工
(C) 2014 Google, ZENRIN

西新宿交差点から甲州街道と並行して西に伸びています。
環七から先は裏路地のような道路なので、
実質的には環七の泉南交差点が終点です。

甲州街道との間隔は僅か300m程度。
そもそも存在意義が怪しい事が分かります。

通過交通は幹線道路に集約し、
431号は地域内のローカルアクセス道路として位置付けた方が、
地域環境の改善や人間本位の街づくりという点で好ましいです。

「道路は多ければ多いほど良い」
「足りないのは困るが、多い分には何も問題ない」

という過去の価値観とは
ここでキッパリと決別しておきます。

改善案1 車道を一方通行にする
2015年3月12日追記 図の乗用車はかなり大きめです。

まずは自転車の安全性・安心感・スピードを重視し、
自転車通勤の旗艦路線として設計した場合です。

自転車レーンは路上駐車に塞がれないように、
構造的に分離された自転車道に変更しています。

自転車同士で追い越しができるように、
やや広めの2.5mを割り当てています。
(本当は最低でも3.0mは欲しい。)

その幅員を確保するために歩道の植樹帯を削っています。
これにより視界が良好になり、歩行者と自転車が
互いに視認しやすくなる効果も有ります。

車道は、まず荷卸しに必要な駐車スペースを確保し、
ドアゾーンが自転車道を浸食しないように緩衝帯を挟んでいます。
残った部分が車の走行空間ですが、双方向通行はどのみち不可能なので
西向きの一方通行化しています。(東向きでも良いかもしれない。)

新宿方面に向かう路線バスは甲州街道を経由する形になるでしょう。
水道道路と甲州街道から構成される、一方通行のループ状路線です。


バス停の構造

バス停は駐車スペースと同じ位置に交通島方式で設置すれば、
自転車、バス、バス乗客のいずれもが安全・快適に通行できます。

停車中のバスを後続車が追い越せない構造にする事で、
バスの円滑な発車にも繋がりますし、
本来甲州街道を通るべき通過交通が
水道道路に流れ込んで来るのも抑制できそうです。

なお、一方通行化する事で交差点の右折レーンが不要になるので、
交差点の処理は現在よりずっと簡単になります。


改善案2

これは水道道路を商店街として活性化する事を目指した案です。

(水道道路はあまり商店が多くないので、
どちらかというと、商店街としての魅力を高めたい
他の地域向けのモデルとしての提案です。)

歩道を大幅に拡幅する一方、車道部分は煉瓦敷きにして
スピードを出せない雰囲気を演出しています。
(車も自転車も15km/h程度で走るように誘導する。)

併せて縁石の落差を小さくすれば、
買い物客が道路を気軽に横断できるようになり、
道の両側の一体感が高まります。

車道は車がすれ違えるギリギリの幅員を確保していますが、
配送トラックや路線バス以外は基本的に通さない想定です。
(例えば電動ボラードで車の進入を管理する。)

このように車の通行量を最小限に絞り込めば、
自転車と車を空間的に分離する必要が無くなります。



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