2014年4月20日日曜日

山手通りの自転車通行空間の改良イメージ (1)

2015年4月29日 文中の「レーン」を「通行空間」に変更

この思考停止のグダグダな設計をどう直すか



現状の自転車通行空間の問題点
  • 幅が狭すぎる(2.0m)
  • 交差点などの周辺で途切れる
  • 縁石の段差でガツンと衝撃が来る
  • ブロック舗装で乗り心地が悪い
  • 歩行者が気付かずに入ってくる

過去の関連記事
山手通りの自転車インフラの問題点と改善案


まずは拡幅

自転車通行空間を 2.0m から 3.0m に広げます。
真っ直ぐ走れずフラフラする子供や老人の自転車と
30km/h以上で巡航するロードバイクのツーキニストが
同じ空間で共存するには 3.0m が最低水準でしょう。
空間に余裕が有るなら 3.5m でも 4.0m でも欲しいです。

これは通行空間が一方通行だろうが双方向だろうが関係有りません。
自転車同士の接近で最も多くの安全マージンが必要になるのは
対面すれ違い時ではなく追い越し時だからです。

歩行者の空間が窮屈に見えるかもしれませんが、
山手通りは鉄道駅周辺の限られた範囲以外は
歩行者が少ないので問題有りません。

さらに言えば、歩行者には肉体的制約が有るので、
いくら歩道を快適にしても通行量は今以上には増えませんが、
自転車はインフラの改善で劇的に増える可能性が有るので、
将来を見越して自転車通行空間を広めに取っておく事には
大きな意味が有ります。


連続化 + 縁石除去 + アスファルト舗装化


交差点の縁石を除去して平滑な路面を連続させます。
ブロック舗装は平滑度の高いアスファルト舗装に直し、
ロードバイクの高圧タイヤでも快適に走れるようにします。
これはパワーロスの低減に直結するので、
自転車の利用距離を伸ばす上で非常に重要です。

歩道との境界は単なるペイントから縁石に変更し、
歩行者が不用意に自転車通行空間に入って来ないようにします。

横断歩道の横では自転車通行空間にもゼブラを引き、
歩行者が途中で立ち止まらないようにします。
車道を横断する歩行者の滞留場所は交通島になります。

車道には信号機が有りますが、
自転車はそれとは無関係にいつでも通過できます。
これで自転車の旅行速度が車に肉薄します。
車道が渋滞している時は自転車の方が速くなるでしょう。


さらに問題点を潰していく

交差点の直近に駐輪自転車が発生しないように、
柵を除去して芝(*)を植え、停めにくい雰囲気を演出します。
(*ツツジのような低木は幼児車やリカンベントが隠れてしまうので駄目です。)

車の侵入は柵の代わりに高めの縁石で防ぎます。
この方が自転車と車が互いに視認しやすくなります。

車道と自転車通行空間の交差部分には路面に矢印を描きます。
ドライバーに対し、左右両方から自転車が来る事を伝えます。
(自転車通行空間を双方向通行で運用する場合。)

さらに、交差部分では自転車に優先通行権を与え、
車に対する一時停止線でそれを明示します。
一時停止線の代わりに縁石やハンプでも良いかもしれません。

自転車通行空間には中央線を引き、通行位置を整理します。
(図では連続線を引きましたが、破線が正しいのかな?) 
線が無いと、傍若無人な中学生集団が道幅一杯に広がったり、
ハンドル操作がフラフラの高齢者がど真ん中を走ろうとします。

それから、自転車通行空間と自転車横断帯を接続します。
横断待ちの自転車が他の自転車の邪魔にならないようにする工夫です。


さらにもうひと工夫

ボラードを自転車通行空間の中央に建植します。
これが無いと自転車通行空間に車が入ってきて駐車したり、
渋滞を回避しようとして自転車通行空間を走行する恐れが有ります。


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大体こんな感じですかね。
それでは改めて、ビフォー/アフターを比較してみましょう。

現状

ブツ切れで段差だらけです。
これで「立派な自転車通行空間が出来た」とかもうね……。

改善イメージ

連続した通行空間というのはこういうのを言うんです。


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第2弾も作りました。
山手通りの自転車通行空間の改良イメージ (2)