2014年4月21日月曜日

「環境先進国」気取りの日本

環境省がアジアの温暖化対策を支援する為に
基金を設立するそうです。



環境省(2013)「“一足飛び”型発展の実現に向けた資金支援」(pdf)

pdf p.1
我が国の優れた低炭素技術を活用した
アジア各国での低炭素型開発を推進する。

日本には確かに「技術」が有るかもしれませんが、
温暖化要因になる活動そのものを抑制する「政策」は
まだまだ未発達ですね。

環境意識が高い一部の企業はともかく、
自治体レベルでは温暖化ガス排出活動に対する
積極的な抑制策は手付かずのままです。

例えば、マイカー利用自体を抑制する実効性の有る対策は何も打たず、
「燃料電池車を普及させよう」などと抜かしています。
それは“地球”環境対策じゃなくて“都市”環境対策だろうが。



地球温暖化に協力しようとする各国には二つの選択肢が有ります。
  • 欲望に歯止めを掛けないまま、事後的な対策に高い費用を払うか。
  • 温暖化の原因活動を根元から縮小して安く済ませるか。
まあ、両方とも必要ですが、情けない事に
日本が提供できるノウハウの多くは前者です。
(だから基金を設立しようとしている。)



pdf p.2
従来よりも幅広い分野で、都市や地域全体を
まるごと低炭素化することにより
世界的なCO2排出削減に繋がる。
日本が提示しているメニューで実現できるのは、
せいぜい温暖化ガスの増加ペースを鈍らせる事ぐらいでは?




pdf p.2
日本の優れた低炭素技術や製品等による
JCMプロジェクトを実施することにより、
日本政府としてクレジットを獲得し、
日本の排出削減目標の達成に活用できる。
この姿勢、安易に排出権取引に頼ろうとしているように見えるんですよね。
「国内の排出量削減余地はもう無いから」と。