2014年4月24日木曜日

追い越し時の側方間隔を訴えるサイクリスト

2014年4月29日 埋め込み動画を追加

Click2Houston(2014年4月21日)
Flag-wielding bicyclist records motorists violating law

テキサス州ヒューストンのサイクリストが、
追い越し時に側方間隔を充分取らないドライバーに対して、
自転車から横に伸ばした三角旗で警告しているというニュースです。


本人が投稿している記録映像の一例



アメリカの約半数の州(*)では、車が自転車を追い越す時に
3~4 feet の側方間隔を空ける事が法律で義務付けられていますが、
現実には守らないドライバーもいますし、
実際に罰金が科されるケースは殆ど無いようです。

*
“3 Feet Please”運動をしている団体のホームページに、
法を可決させた州の一覧が載っています。
この種の法律はテキサス州の州法としては未成立ですが、
ヒューストンのローカル法としては2013年5月に可決されています。

というわけで、自転車に取り付けた旗でドライバーに
法律を守るよう訴えている Dan Morgan 氏ですが、
the flag has been hit a total of 10 times while filming
and I am on my second flag
because the first one was broken by a driver hitting it.

録画中に合計10回も(追い越し車が)旗にぶつかった。
今使っているのは二本目だ。一本目はドライバーに
ぶつけられて壊されてしまった。
本人のFacebookより)

最初のフラグは折られてしまったようですね。

法律を知らないドライバーもいるでしょうし、
知っていても守る気が無いドライバーや、守っているつもりでも
車幅感覚や距離感が不正確なドライバーもいるでしょう。
法律なんて所詮そんなもんです。

このサイクリストの試みは、
主観的になりがちな「充分な側方間隔」を
視覚化する試みとしては面白いですが、
問題の本質的な解決にはなってませんね。

ちなみに、このニュースを取り上げたroad.cc の記事のコメント欄にも
「俺も昔似たような事してた」という書き込みが幾つか見られます。
旗や棒を取り付ける以外には、こんなユーモラスな手を使う人もいます↓




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自転車が車に横スレスレを追い越される状況は、
道路交通システム自体の欠陥を直さない限り
無くならないでしょう。

欠陥というのは、ヒューマン・エラーが
簡単に事故に繋がってしまう構造の事です。
なので、考えられる方策としては、

  1. 適切な幅のレーンを、車と自転車の双方に用意する。(*)
  2. 自転車レーンと車のレーンの間にバッファーゾーンをペイントする。
  3. 構造的に分離された自転車レーン(自転車道)を作る。
  4. 全ての車に距離センサーを付け、異常接近を自動で回避させる。
  5. 車道とは別の場所に自転車専用の道路を引く。

といった辺りでしょうか。
いずれにせよ、個々のドライバーの判断ミスや
主観の差に左右されないようにする事が肝要です。

* 自転車が自転車レーンの中央を、車が車のレーンの中央を走れば、
自然と両者の間に充分な側方間隔が出来るような幅員。