2014年4月15日火曜日

パトカー事故に見る道路交通の本質的危険性

2014年4月13日に兵庫と大阪でそれぞれ
パトカーが絡む事故が起こりましたが、
どちらもシステムの欠陥が招いたものに思えます。



兵庫県丹波市春日町の事故は、

ミニパトカーが見通しの良い交差点を青信号で通行中に、
左側から突っ込んできた乗用車をよけきれず、
乗用車の右側面に衝突した。
(日経新聞2014年4月14日夕刊)

という状況だったと報じられています。この報道だけでは、
乗用車が赤信号を無視したのかどうかは分かりません。
(信号機が故障して両方向とも青が点灯していたかもしれないので。)

ただ、仮に信号無視が有ったとすれば、
車が赤信号を突破できてしまう
仕組み自体に根本的な問題が有ります。
  • 信号を見落とさずに視認できるかどうか。
  • 信号を守って止まれるかどうか。
これを全面的にドライバー任せにしている点が問題です。
ヒトは間違える。規則も破る。
それを前提としたシステムを構築せず、
依然としてヒトの無謬性を当てにしているから、
こういう事故が繰り返されるのだと思います。


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大阪市都島区内代町の事故は、

横断歩道を歩いていた男性が城東署のパトカーに
はねられて死亡した。パトカーはスピード違反とみられる
オートバイを追跡するために加速したところで、
赤色灯やサイレンの作動前だった。
(日経新聞2014年4月14日夕刊)

と伝えられています。私はこういう報道を見るたびに、
「なんでいちいち人力で取り締まってるんだ」と思います。

道路の区間ごとに設定された上限速度に近付くと
アクセルが強制的にカットされる、というような
システムになっていれば、そもそも速度違反は起こりません。

また、そんな未来的な技術の実現を待たずとも、
スピードカメラをもっと密に配置するくらいの事はできるはずです。
この場合、違反行為の予防はできませんが、
違反者を事後的に道路社会から退場させる事はできます。


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どちらの事故も、責めるべきは人ではなくシステムの欠陥です。

幾ら人を責め、罰したところで、
今回失われた命は取り戻せませんし、
将来失われる命を救う事もできません。