2013年8月11日日曜日

自転車インフラを担う人材の世代問題

『バイシクルクラブ』2013年9月号で、
最近施行された自転車関連の都条例の
説明会を疋田氏がレポートしていました。




記事によると、東京都の都道で自転車歩行者道ばかりが増殖して、
まともな自転車通行環境が一向に作られない背景には、
施策を立案する青少年・治安対策本部の人間が
自転車を毛嫌いしている事があるようです。

これは酷い。道理で聞く耳持たないわけだ。

考えてみれば、1970年に
自転車の歩道通行が合法化されてから早43年。
間もなく半世紀が経過します。

既に今、現役で実務に携わっている人の大半が

物心付いた時にはもう自転車が歩道を走っていた世代

に入れ替わってしまっているんですね。

自転車の歩道通行は彼らが成長期に身に付けた常識で、
もはや人格の一部になっていると言っても
過言ではないでしょう。これを引き剥がすのは大変です。
明日から日本語捨てて英語だけ喋れというようなものです。

ですが、そういう、自転車が車道を走っていた時代を
知らないガキどもが今の自転車インフラを担っている。
しかも無駄に年だけは取って頭が固くなっている。

何とも絶望的な状況です。

既に引退した世代は、自分たちが自転車道を
整備しなかった事に対して悔恨の念を持っているようですが、

昭和 40 年代から 50 年代の建設省道路行政担当者は
筆者のヒアリング13)に対しほとんどが
「自転車道は整備すべきであった」と述べている。

元田良孝・宇佐美誠史(2009)
「わが国における自転車道整備に関する歴史的考察(その2)」

今となっては、現役世代への影響力はあまり期待できないでしょう。