2013年2月23日土曜日

夜間ライドの安全策 - リフレクター比較

自転車で夜間に車道を走行する時の安全策として、
ライトや反射材の装着が義務付けられていますが、
その効果は製品の種類や取り付け方によって大きく変わります。

後方の車に対して取り付けるグッズを何種類か、
レビューも兼ねて比較しながら紹介します。


テールライト編に続き、今回は
リフレクターを何種類か見ていきます。

反射板、反射テープの類い。

光を当てた時の様子。

完成車に付いている赤色反射板。
シートステイやシートポストに取り付ける物です。

反射角度に癖が有るので、光源と視点の位置関係によっては
あまり光って見えません。

右半分の周縁部しか光をカメラ方向に反射していません。
取り付け角度に注意しないと、車のヘッドライトを受けても
ドライバーの視点からは見えません。

ホイールのスポークに取り付ける反射板です。
これもエリアによって反射方向が変えてあり、

一つの視点からは一部しか光っていないように見えます。
海外の法令では、このような反射板を取り付ける代わりに、
サイドウォールに反射塗料が塗られたタイヤを認めている場合が有ります。

ペダルに装着された反射板。ペダリングの上下運動で
ドライバーは直ぐに自転車だと判別できますが、
下死点、上死点付近では靴に隠れて見えにくくなる事が有ります。

これも反射角度に癖が有り、右半分しかカメラ方向に反射していません。
ペダリング中の微妙な角度の変化でも光が弱まってしまいます。

SPDシューズが反射素材を具えている場合が有ります。
ペダルの反射板と違い、隠れてしまう事が有りません。

しかし、この製品ではデザインを優先した為か、
反射部分の面積が小さ過ぎます。


私は持っていませんが、靴以外のウェアでも反射材を付けた物が有ります。
選び方としては、

  • 反射材が大面積に連続している
  • 反射材が乗員のシルエットの周縁部にも配置されている
    (例えばジャージーなら袖部分)

事が重要で、この条件で探すと意外と見付かりません。
ブルベの定番装備、反射襷も腕まではカバーしていません。
市販品では、MavicのVision Jerseyが良さそうです。

100円ショップで販売されているズボンの裾留めゴムバンドです。
かなり雑でみすぼらしい造りではありますが、

実質的な反射率と反射面積の観点から見ればかなり優秀です。

これも100円ショップで販売されている裾留めバンドで、伸縮性が無い物です。
反射率は上の製品より若干劣りますが、全周切れ目無く反射塗料が
続いているので、側面や前面に対しても有効です。

このバンドを上腕部に巻き付けると、後続車のドライバーに
自転車の幅(乗員を含めた幅)を正確に認知させる事ができるので、
追い越し時の側方間隔を大きく取ってもらいやすくなります。
また、追い越し動作を慎重にさせる効果も有るようです。

(この使用法は、自転車乗車中だけでなく、
歩行者として道を歩いている時も効果が有ります。

歩道の無い狭い道路で車が横を通過する時、
明らかに慎重な運転態度を見せるようになります。)

テールライトの高輝度化より遥かに大きな効果を実感できますし、
電池も不要で安価なので、特にブルベをされる方にはお勧めの使用法です。

反射機能付きの粘着テープです。
工夫次第で視認性を大きく向上させる事ができます。
黒色の反射テープなら、デザインを損ねる事も有りません。

効果的、且つ美しく仕上げる為の目安としては、

  1. ちまちまと細切れに貼るのではなく、広い面を一気にカバーする。
  2. 貼り付ける面の形状に合わせて丁寧にカットする。
  3. 自転車や乗員のシルエットの周縁部に重点的に配置する。

などが挙げられます。

2は、貼り付ける面の現物合わせで型紙を作っておき、
その型紙に合わせてテープを切り抜くと綺麗に仕上がります。
事前に完成予想図を描き、見た目がおかしくならないか
チェックしておくと失敗しません。

3は、例えばロードバイクであれば、

  • バーエンドキャップ
  • ブレーキレバー
  • ヘルメット
  • ペダル
  • クランクアーム
  • リム

などが考えられます。


勿論、周縁部でなくとも反射材は有った方が良く、
ドライバーの認知エラーによる追突事故を防ぐ効果が期待できます。

しかし、周縁部であれば追突防止に加え、追い越し時に
側方間隔を取らせる効果も期待できます。