2013年2月2日土曜日

国交省の自転車ガイドラインの感想 pp.14-15 計画の作成手順

国土交通省が2012年11月29日に発表した
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(PDF)
を読みました。

なんだかニューヨーク市の失敗や
オランダの反省があまり生かされてないようですね。

問題点が無いか1ページずつ見ていきましょう。


以下、ページ番号はPDFファイル上の番号基準です。
紙面のノンブルとは一致していません。(これ、減点要素です。)


p.14
1.自転車ネットワーク計画の作成手順

(1)基本方針、計画目標の設定
自転車利用の状況を把握し、その課題を整理するとともに、
地域の上位計画及び関連計画を踏まえ、
自転車ネットワーク計画の基本方針、計画目標を設定するものとする。

(2)自転車ネットワーク路線の選定
全ての道路で自転車通行空間を整備することは現実的ではないため、
自転車ネットワーク計画の基本方針や計画目標に応じて、
自転車通行空間を効果的、効率的に整備することを目的に、
面的な自転車ネットワークを構成する路線を選定するものとする。

整備路線を絞り込むのは分かりますが、「面的」か……。

これ、自転車がせいぜい5km程度の範囲でしか
使われないという古い前提に基いてませんか?

街と街の間の道路が放置される気配濃厚ですね。


p.14 (続き)
(3)整備形態の選定
路線毎に交通状況を踏まえて適切な区間設定を行い、
自転車道、自転車専用通行帯等の
自転車通行空間の整備形態を選定するものとする。
また、道路空間の制約により整備が困難な場合には、
現時点で整備可能な当面の整備形態を選定するものとする。

(4)個別路線の詳細な構造等の検討
自転車ネットワーク計画の合意形成を進めるために必要な場合、
個別路線の詳細な構造(分離工作物の配置及び形状、路面色等)や
交通運用(自動車の規制速度の抑制、自転車通行方法等)
に関する検討を実施するものとする。

(5)自転車ネットワーク計画の決定
上記(1)~(4)について、コミュニケーション・合意形成を図った上で、
自転車ネットワーク計画を決定するものとする。また、緊急度に応じた
整備優先度や分かりやすい案内方法についても検討するものとする。

遅っ! 作成手順の5段階目にしてやっと外部の目に曝すんですね。
実質的には、相変らず市民参加の8段階でいう3段目辺りでしょう。
いまや中国がすぐ下の段まで迫ってきてますよ。


p.14 (続き)
(6)計画の評価、見直し
自転車ネットワーク計画を決定した後、事業の進捗状況を踏まえて
計画の評価、見直しを実施し、その評価結果を計画へ
フィードバックさせるものとする。

市民からのフィードバックは受け入れるんでしょうか。


p.15
行政機関や地元住民、道路利用者等の
幅広い関係者が計画策定に参画できる体制を構築
脚注に小さな文字でこう書いてありますが、
計画の「策定」に参画というだけだと、
「計画」段階から参画できるのかどうか曖昧です。