2013年2月2日土曜日

国交省の自転車ガイドラインの感想 p.49 自歩道の温存

国土交通省が2012年11月29日に発表した
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(PDF)
を読みました。

問題点が無いか1ページずつ見ていきます。



以下、ページ番号はPDFファイル上の番号基準です。
紙面のノンブルとは一致していません。


p.49
/*前略*/ 既に自転車歩行者道が整備されており、
かつ自転車交通量が少なく、かつ歩行者と自転車の交通量を踏まえ
歩行者と自転車を分離する必要がない場合に限り、
以下の設計上の留意事項を踏まえて、当面の整備形態として
自転車歩行者道を活用することを検討するものとする。

自転車通行空間と歩行空間の間に分離工作物を設置しないものとする。
分離工作物が設置可能な場合には、当面の整備形態ではなく、
自転車道として整備することを検討するものとする。

自転車の徐行を徹底させ、自転車利用者に自転車専用の空間である
との誤解を与えないようにするため、徐行を示す看板または
路面表示を設置することや、インターロッキング・ブロック舗装等とし、
舗装の材質や色彩、デザインに配慮することが考えられる。

交通量を元に分離の必要性を判断する場合、
人が疎らである事を理由に自転車が高速走行する
という可能性が抜け落ちてしまいます。

注意看板・表示は基本的に無視されますし、
平滑度をわざと落とした舗装路面も
MTBには効果が有りません。

また、歩行者と自転車を分離する必要が無いと
判断されるような歩道はそもそも幅員が過剰です。


その幅員から自転車道や自転車レーンを捻出できるなら、
既存の自転車歩行者道を温存するのは誤りです。

どうもこの部分は東京都の整備方針を
追認したいが為に書かれたような印象を受けますね。


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なお、私は「自転車歩行車道」、通称「自歩道」の中の
自転車通行空間の部分を

歩道上の自転車レーン

と呼ぶ事にしています。道路管理者が幾ら

自転車専用の空間ではないから歩行者を優先して徐行せよ

と言った所で、視覚的に歩行者と自転車の空間が分かれているなら、
利用者はそこを「自転車レーン」と認知し、その認知に基づいた
運転行動を取るのが自然だと考えられるからです。

道路管理者の行為が実質的に語っているのは、

ここに自転車レーン作ったけど
これは自転車レーンじゃないからね

という事で、支離滅裂です。