2013年2月2日土曜日

国交省の自転車ガイドラインの感想 pp.38-39 自転車道の構造

国土交通省が2012年11月29日に発表した
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(PDF)
を読みました。

問題点が無いか1ページずつ見ていきます。



以下、ページ番号はPDFファイル上の番号基準です。
紙面のノンブルとは一致していません。


p.38
良好な道路交通環境の整備または沿道における
良好な生活環境の確保のため必要な箇所、
景観への配慮が必要な箇所では、
植樹帯を分離工作物として設置することができる

直前のページで
自転車、自動車が互いに存在を認識できるよう視認性に配慮(p.37)
とわざわざ宣言したのは何だったのか。
植樹帯なら道路の中央に集約すれば済むのに。


p.38
分離工作物として植樹帯を設置する場合は、自転車の走行性、
視認性を妨げることのないように配置を検討するとともに、
樹木の成長に留意し維持管理に努めるものとする。

逆に、視認性に配慮した植樹帯が沿道環境の向上に
どう貢献できるんでしょうか。少なくとも吸音性は期待できないと思いますが。


p.38
幅員は2m以上とし、当該道路の自転車の交通状況を
考慮して定めるものとする。

2.0mは狭過ぎです。また、「2m以上」と言うと、
道路管理者は2.0mちょうどの自転車道しか造りません。


p.38
一方通行規制を実施した自転車道においても
自転車相互の追い越しが発生することが想定されるため、
自転車の通行状況を勘案した上で、幅員を検討するものとする。

だから追い越しするには2.0mじゃ足りないんだって。
実際に亀戸自転車道の狭い空間の中で
他の自転車を追い越してみれば分かります。


p.39
地形の状況その他の特別な理由によりやむを得ない場合においては、
1.5mまで縮小することができる。ただし、縮小する場合は、
道路附属物等設置箇所など局所的なものに留めることが望ましい。

「2m以上」+「ただしやむ得ない場合は」のセットで
実質的に「2m以下」という意味になる事は以前も指摘しました。